コラム

【病院介護給食】委託給食こそコロナ禍で業績を伸ばすチャンス

いつもありがとうございます、給食業経営コンサルタントの井上裕基です。

今回は医療介護福祉施設における給食についてお話させていただきます。

これまでの医療介護福祉施設給食の在り方

先般、株式会社ブティックス社主催のケアテックス東京2021のケアフード東京展にて、「給食会社の選び方」というご依頼のテーマで講演をして参りました。

新型コロナウイルスの影響で介護福祉・メディカル部門の給食は改革をするチャンスを迎えており、2021年介護福祉・メディカル部門の給食経営テーマは、①やめることを決めること ②保存性の高いパック惣菜を活用することです。

まず施設給食の在り方を振り返ると、

第1の給食:自前給食

(仕入れから調理まで自社人員で全て対応する融通性の高い提供方法)

第2の給食:委託給食

(人員手配から食材仕入れ、調理までの委託で業務の切り離しと品質の担保)

第3の給食:完調品・半調理品(パック給食)

(コストアップや人員不足を背景とする運営困難を改善する簡易型の食事提供)

と多様な時代背景から求められる食事提供の在り方も変わってきました。

トレンドは完調品等活用のハイブリッド

そ日本給食業経営総合研究所のご支援先でも多くの企業が着手・拡大をしている完調品・半調理品といった「パック給食」ですが、まさにこの業態は人手不足を解決するための手段として大きく施設のシェアを獲得してきました。給食会社としては、このパック惣菜のメーカーになり、業績を飛躍的に伸ばしたということです。主な売り先は、施設への直販は勿論、シニアフードビジネス市場に参入したい異業種へのOEMが代表されるところです。

しかしここに来て新型コロナウイルスの影響により、人手不足問題の性質が変わってきています。これは人手不足問題が一時的に解消されたことで、一次対応策としての給食から再び人の手による給食に戻ろうとする動きが出てきたということです。

これが第4の給食:主菜は自前調理・副菜は完調品、半調理品の活用による業務の取捨選択であり、私はこれを「新時代自前化」と表現しています。

この流れは多くのケースで自前も委託も一通り経験してきたことで、外部環境の変化を以って自前給食をどのように運営するか試行錯誤した結果生まれたものでした。この先また人手不足問題が再燃することも大いに考えられること、本質的な労働環境が解決しているわけではないことから、全て自前給食に移行させる意思決定よりも、両方の良いとこ取りをしたいという意向です。

元を辿ると、パック給食を始め、提供してきた商品やサービスに満足していない場合、この流れが生まれるということを冷静に受け止めなければなりません。例えば、導入してはみたが、人件費や人手が思うように変わらなかった・コストが逆に上がってしまったと真逆に終わり、そのコストと比べれば自社でやってみようじゃないかという発想になるわけです。勿論そのような方向性で成功される施設もありますが、多くのケースで人材の補充や新たな教育に時間と労力を費やし、上手くいかないケースも散見されます。

本質的に解決しなければならないことは何か?

話を戻しますが、メディカル給食関連では、ムース食をはじめ、個別対応食を「自社でつくるものとつくらないもの」と分けることで、業務改善は劇的に進み、時間・工数といった指標で成果を感じられています。

ただしこれには重要な課題があります。自社製造しないため、大半はこのモデルを採用すると食材費が上昇します。そして給食部門や栄養課において正社員比率が元々高かった組織は、時間外手当を除き人件費が下がることは期待できません。つまりこの先給食部門の改革を進めたい施設は、業務改善をすると同時に人員体制を見直す必要があるということです。具体的に言えば、正社員比率の高い施設は配置転換を余儀なくされます。そうしない限り、定量的な改革の達成は実現できないからです。給食会社としては、これまで人手不足やコストを切り口に営業をしてきましたが、前述の課題を解消しない限り契約・導入になることは難しいでしょう。

委託給食業はコロナ禍で業績を伸ばすチャンス

そこでポイントとなる発想が、「モノ売り⇒コト売りへのシフト」です。必要となる視点は、施設にとって給食会社は専門家であるということです。給食業が持てる商材(食材・キット・弁当・惣菜・サーブ・完調品等)を施設に売ることが重要でなく、それらを使って施設がどう改善されるのかがこれからの価値となります。つまり給食業にとっては、食材費や人件費に始まるコストシュミレーションや業務削減提案といったより具体的実弾的なノウハウを持たねばなりませんし、持てることで確実に選ばれる存在になります。

特にこの分野でチャンスを持っているのが、委託給食会社です。人手不足問題の解消にと省人化モデルの提案をしても採用されない背景に、やはり人材を含めた給食サービスの需要が根強くあるからです。そういったケースでは、食材一式に加えて人材を用意できる委託給食業の価値はますます増加する傾向にあります。また昨今では、委託給食会社が袋惣菜を活用することで業務改善を推進する事例も増えており、大きな注目を受けています。簡潔に言えば、全ての武器を揃えることが可能な業態であるということ、そして自身の業務改善を図ることがし易い業態といえます。

まとめると給食会社は、食事周辺のお困りごと解決案を提供する事業者、いわばコンサルタントというわけです。情報とノウハウを保有し、提供することで生まれる価値は何にも代え難いものがあります。日本給食業経営総合研究所では、これまで皆さまの給食における商品力や営業力をコンサルティングサービスと変えるサポートもさせていただいております。医療介護福祉向けの給食業に参入したい・委託給食の業績を伸ばしたい方はぜひご参考にしていただければ幸いです。

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