コラム

【病院経営】コロナ禍で病院給食がすべき経費削減と業務改善

いつもありがとうございます。日本給食業経営総合研究所 給食業経営コンサルタントの井上です。

今回は医療業界における病院給食について、コロナ禍だからこそすべき経費削減や業務改善についてお伝えします。

病院給食が赤字経営脱却の前にしなければならないこと

日本給食業経営総合研究所でもここ数年、医療介護福祉関連における給食部門からのご相談が増えています。そのどれもが現在の経営状況が悪いために、改革改善をしたいという内容が大半を占めています。原材料と人件費は上がる一方なので、収支を確認したときに初めて現状に気づく法人様も多いのが実態です。それではなぜ、このような状況に多くの病院が問題を抱えているのでしょうか。それはまず、多くの病院にて収支把握がなされていないことが大きな要因です。したがって、まず改革改善の前に現状を数値で見えるようにする必要があります。

病院給食の運営方法で違う危機意識のレベル

一般的に病院給食の形は、自前と委託に分けられますが、それらは時代に沿って在り方も変わってきました。歴史を辿ると、まず第一の給食としては「自前給食」が主流です。基本的に従業員が自力で食材やレシピを用意し調理に当たるもので、調理から喫食までの時間が短いため、満足度が高い形態です。とはいっても、病院給食では加算等ルールに沿って調理から提供時間が決まっているかつ満足度の重要性も低いため、ここでは深く触れません。介護福祉関連でのテーマ時に解説したいと想います。

続いて主流となったのが「委託給食」です。医療法人をはじめ、自前で運営することが難しくなってきた時代、給食を外部に委託する流れは一気に加速しました。しかし大手においてもコスト高の影響は大きく、委託費値上げや案件精査といった選択と集中によって委託給食の在り方も変化しました。つまり委託できる病院とできない病院の差が激しくなってきたわけです。

そして出現してきたのが「半調理済み食材」や「完全調理済み食品」です。いわゆる惣菜パック食品であり、湯煎することで盛り付けのみする作業に変わってきました。これは主に委託できない中小規模の施設でトレンドとなり、現在も多くの法人で利用および検討をされている手法の1つです。これにより調理人や職人は不要となり、盛付担当で給食運営が可能となりました。

話を戻しますが、委託をしてきた法人はいわゆる委託給食会社からの請求額で危機感を持つ機会が定期であります。特に値上げ交渉をされたときには、今までの危機感がより強くなるタイミングでした。

さて現在特に課題を抱えられているのは、自前で給食を運営する法人様です。基本的に経営陣は給食のプロフェッショナルであることは少ないため、従業員への丸投げがどうしても起きてしまい、全ての工程から収支までブラックボックス化しているケースが多いです。この危機意識の差が問題であり、自前給食を運営されている法人様は現状把握を直ちにすべきです。

コロナ禍に変化の少ない給食部門は改革のチャンス

あえてお話させていただければ、コロナ禍で比較的収入に影響が少ない給食部門は、収支悪化の言い訳はできません。そもそもこれまでの状況が良ければ、現在も変わらぬまま運営ができていたわけです。つまり今までも、そしてこれからもこの厳しい状態で運営をし続けることをOKとするのか、今改めて考えるタイミングが来ています。

自前で給食を運営されている法人様は、多くの事案で収支だけが問題となっていません。同じ割合で職員の高齢化が問題となっています。前述したブラックボックス化の中には、調理プロセスも含まれ、熟練のスタッフが辞めてしまうことで安定した給食提供が難しくなってしまいます。勿論多くの法人様で職員の採用強化を進めていらっしゃいますが、業務のブラックボックスで、若い人財が定着せず育たないケースがほぼ大半です。

例えば自前給食で長きにわたり運営をしてきたとある法人様では、一部委託の方向性を模索されています。主食や主菜は自前製造で、複雑な個別対応食や療養食・副菜といったものは完調品の導入を進めることで注力と簡素化ポイントを明確化させたい意向です。しかしここで忘れてはならないことは、人数の適正化を確実に進めることが重要です。簡素化させることで生まれた時間に新しい業務を付加することは手法論の1つではありますが、基本的に医療介護福祉関連の給食部門では自力で収入を増やすことはできません。つまり人数・人件費の削減をしなければ本質的な解決には至らないことが挙げられます。

自前給食の根深い問題としてある正職員とパートアルバイトの比率を並行して考えていくことがなければ、病院給食の経営改善とはならないのです。逆に言えば、それを解決することで一気に業績を変えられるチャンスを持っていることにもなります。ある意味では利益を大きく出す必要がない給食部門であるので、この部分の解決のみに注力することをぜひ2021年にかけて経営者様や部門長の皆さまに考えていただければと想っています。

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