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コラム

人手不足×高齢化の中、「採用が止まらない」給食会社が取り組んでいること

狐野 大誠

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狐野大誠

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デジタル活用をしたい人材

 

株式会社日本給食業経営総合研究所(日給研)経営コンサルタント/管理栄養士の狐野大誠です。

給食業界では今、人手不足と高齢化が同時に進み、今まで通りの採用活動では採用が難しくなっています。一方で、こうした状況の中でも、「採用が止まらない」企業は存在します。

今回は、給食業界における採用の変化と今まで通りの採用手法では通用出来なくなった理由をご紹介させていただいた上で、採用を成功させる3つの戦略についてお話いたします。

給食業界を取り巻く採用環境の変化

食材費や光熱費などあらゆるコストが増加している現在、例外なく人件費も上がり続けています。特に直近では最低賃金の改定によって、全国平均で1,118円/63円上昇(2025年10月時点)となりました。給食業界内でもその影響は大きくなってきています。弊社が給食会社様向けに行った独自調査でも全国平均と同様の時給上げ幅となり、年単位での人件費増加額は約530万円になると予想されています。また、この最低賃金の上昇は今回だけに留まらず、来年以降も毎年50~60円程度上がっていく見通しとなっています。
そのため、今年だけの問題として捉えるのではなく、数年先まで見据えた対策・対応を打っていくことが必須となります。

人手不足の中、今までと同じやり方は通用しない

現在働いている従業員の人件費の問題もある一方で、「求人を出しても応募が来ない」「隣の給食会社に取られてしまった」「入ってもすぐ辞めてしまう」といった声もよく聞きます。少子高齢化でますます人手不足が加速するほか、これまで以上に最低賃金が上昇することが予想されている中、いかに採用にかかるコストをかけずに、自社で長く働き続けてくれる人材を採用の段階から見極めることが重要です。
また、従来のような求職者が自社を探して応募しに来てくれる「待ちの姿勢」では、成果は出にくくなっています。そのためにこれまでのやり方だけでなく新しい採用の形を模索し、実践してみることが必要となってきます。

「採用が止まらない」給食会社の3つの戦略

人手不足解消に向けて給食会社は募集から採用の各フェーズで強化していくべきことがあります。今回は、弊社の会員企業様の事例も交えつつ、採用計画から募集、応募にかけて取り組むべきポイントを3点ご紹介いたします。

ポイント① 設計:「正社員確保」にこだわりすぎない柔軟な採用設計
まず、採用するにあたって「どのように人材を確保するか」だけでなく、「どんな人材を確保するか」という視点が重要になってきます。給食会社でも、求人を募集しても50〜60代の応募が多く、採用しても長期的に働くことが期待できないほか、社内の高齢化が進むだけといった声もよく聞きます。多様な人材を獲得する手法として、何点か事例をご紹介させていただきます。
 一点目は、定住外国人向けに特化した専門採用サイトを活用し、「永住外国人」や「定住外国人」をパートやアルバイトとして採用するものです。給食会社では外国人技能実習生の採用も進んでいますが、外国人技能実習生は採用費用に加え、管理団体への支払いや家賃・光熱費の補助などの費用がかかります。さらに、就労制限や言語や文化の違いによって現場の社員と意識や認識の違いも生まれることがあります。一方で、永住・定住外国人の方は就労制限もなく一定の日本語レベルも担保されています。最近では先ほどの専門採用サイトを利用し、採用単価2.6万円で外国人を採用できたという給食会社様の事例も出てきました。
 二点目は、隙間バイトを活用し、正社員やパート・アルバイトでは集まりにくい職種や時間に働いてもらうものです。配送や洗浄など、繁忙期に一時的に人材を増やしたい時期や、深夜帯や早朝など人が集まりづらい時間帯にスポットで募集をかけることで、正社員の兼業や負担を軽減し、生産性を維持することができます。

ポイント② 募集:自社発信による採用力強化(HP・SNSの活用)
自社で採用したい人材のイメージが掴めた後は募集をかけて準備を進めていくことになります。その際、既存の掲載する形の求人媒体だけでは人手不足の中では募集が難しく、こちらから発信する形でアプローチしていくことが必要です。
給食会社の中には、自社のHPやSNSに下記の情報を記載する「採用メディア」として活用することで、採用媒体に活かす会社様もいます。例えば、HPはデザイン性だけではなく、1日の流れなどそこで働くイメージが持てる内容や情報を記載する。SNSはInstagramやTiktokを用いて、認知や拡散に繋がるような社内の雰囲気や働く人の声を継続的に発信などといった手法があります。実際にInstagramのダイレクトメール(DM)経由で採用に繋がり、広告費を大幅削減した給食会社もあります。

ポイント③ 応募:「どこでもいい」ではなく「この会社で働きたい」と思わせる
求職者は給食会社に限らず、様々な会社の求人情報から比較し応募します。
また、どの会社も基本的に人手不足です。「地域の皆様に安心な食事を提供します」のような、どの給食会社も共通して書ける内容ではなく「自社らしさ」や
「働く人のリアルな声」を伝え、自社ならではの強みや特徴を自社の言葉として伝えることが大切です。

まとめ:これからの採用は「多様化」×「定着率」

人手不足の昨今、今までのような採用手法ではそもそも人材が確保できないほか、入社前とのギャップにより離職に繋がる可能性も少なくありません。これからは、今まで以上に採用の段階から長期的に働ける人材を確保する視点に加え、「外国人」や「時短勤務」といったこれまでにはない多様化な採用手法も検討していくことが求められてくるのではないでしょうか。
弊社では、給食会社様の人手不足の課題に応じたサポートも実施可能です。「募集をかけても人が集まらない」「入ってもすぐ辞めてしまい常に人手不足である」「社内の人員が高齢化してきているので若い人や外国人採用にも力を入れてみたい」と言った課題に応じて最適なご提案をさせていただきます。必要に応じて、弊社のパートナー企業もご紹介させていただきますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

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この記事を書いた人

狐野 大誠

狐野 大誠

大学で管理栄養士資格を取得後、大学院では宇宙食の研究に取り組み、学会発表や調理科学会誌への掲載実績を持つ“食の専門家”。 新卒で食品業界特化型の採用支援会社に入社し、イベントの企画運営や営業に従事。 現在は日給研にて、給食業界を中心に「採用×商品開発×売上向上」を一貫支援する実践型の経営コンサルタントとして活動。 栄養学に基づいた満足度の高い献立提案や、その魅力を届けるための販促物・WEBページ設計に強みを持ち、 現場密着型の伴走支援で成果にこだわるスタイルが評価されている。

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