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地域一番の給食会社が商品力を高めるために実践していること

井上 裕基

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井上 裕基

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いつもコラムをお読みいただきありがとうございます、日本給食業経営総合研究所 給食業経営コンサルタントの井上です。

今回は給食経営において必須な商品力について、業績を伸ばしている給食会社が実践されていることをお伝えします。

給食業において「商品力」の定義は何か?

別のコラムでもご紹介していますが、日本給食業経営総合研究所では、商品力を①量 ②数 ③幅 ④質で定義しています。そのどれもがポイントとなりますが、やはり地域一番の顧客シェアを持つ給食会社はこれらをクリアされているのが実態です。

①量・・・ボリューム(全体g数、主菜重量)/ g単価

②数・・・品目数(おかず品目数、使用食材数)

③幅・・・バリエーション(和洋中構成比、調理法構成比)

④質・・・見栄え(彩り、間接包材)/ 栄養価

またこれらのポイントを押さえる以前に、競合他社の情報を持っているかも重要です。日本給食業経営総合研究所において、新規事業や拡大支援の際には必ず競合調査を実施いただいています。その内容を踏まえて、他社がやっていることを包み込み、他社に無い独自保有の強みを磨き上げていくことが圧倒的なシェアを獲得するに必要な要素となるわけです。

給食経営における商品の判断軸に偏りはないか?

お客様満足度を図るのにアンケート調査を実施される給食会社は多くいらっしゃいます。その結果をもとに、サービスの強化や新サービスの検討をすることには大いに賛同しており、良き成果を生み出す要素になることでしょう。しかし商品開発や提案にモニター調査等をする給食会社は少ないように想えます。一体なぜこのような形になってしまうのでしょうか。これは商品についてのみ、判断軸に偏りがあるからと考えざるを得ません。つまり「最終的には社長が決めたから」「工場長がOKを出したから」「○○さんが美味しいと言っていた」といった固定概念に囚われて十分な用意・効果検証・修正や微調整といった機会を給食会社自ら手放していることを懸念しているのです。

事実、それで業績や成果に繋がっているのであれば良し、多くは想うようにいかないケースが多いのではないでしょうか。

商品力を高めるために給食会社が実践すべきこと

結論から言うと、「給食会社を中心に仲間の企業との試食会を開催すること」です。同一商圏では、ハードルも高いと仰る経営者様多いので、まずは商圏外の給食会社様と実施されることをお勧めしています。さてなぜこの企画が効果的というと、事実業績を伸ばしているモデル企業から学ぶことが成功への近道だからです。前述の商品力向上へ向けて、着々と給食業界でも試食会を同業同士でされるケースが増えてきました。給食業における設計図:献立開発から、調理に至るまで、どの工程がもれてしまっても現行の商品力は担保されません。モデル給食会社が実践されていることから、自社に落とし込めるものを見つけ、成果に繋げることがまず第一にすべきことと進言しています。

つい先日ですが、私もとある給食会社様にてピックアップされた4社様と商品の試食会を実施させていただきました。内容については、医療介護福祉施設向けの袋惣菜についての試食会でした。テクニカルな質問から、真似すべきポイントの抽出、課題解決へ向けた質疑応答と大変有意義な機会となっていました。

日本給食業経営総合研究所では、給食経営ファクトリーという給食業経営者向けの業界団体を主宰しています。そこでは給食経営に関する前向きな情報交換や横のつながりを設けていますので、こういった商品力向上へ向けた議論も活発になされています。ぜひ皆さまもこういった機会を自社につくってみてはいかがでしょうか。

<給食経営ファクトリーとは?>

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この記事を書いた人

井上 裕基

井上 裕基

日本で唯一の給食業専門総合コンサルティング会社でNo.2 を務める。 大手乳製品乳酸菌飲料ヤクルトの販売会社、東証プライム上場 国内コンサルティングファームの船井総合研究所で給食業界の経営コンサルタントを経て独立し現職に至る。 全国に給食会社の顧問先を持ち、専門領域は産業給食/事業所給食/委託給食/介護施設給食/病院給食/配食サービスと給食業全般をカバーする。基本の業績アップから商品開発・新規事業の立ち上げ等、給食会社の成長戦略や戦術構築に加え、病院・介護施設の給食部門に対する業務改善や経営指導を行う実績も保有する。

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