日給研の野間です。今回は、今後も市場が拡大していく「介護施設給食」についてをテーマといたします。結論、この数年で在り方は激変します。
介護施設での給食の在り方が根本的に変わる
以前もお伝えした通り、介護施設向け給食市場は人口動態に比例して、堅調に拡大しています。また、加速する介護人材不足により、外部委託はさらに進みますが、外部委託する給食会社側も人手不足のため、クックサーブ型の施設給食は、どんどん減っていきます。
右の表では、2025年から2035年の10年間で、介護職員の人手不足は、今よりも2倍に膨らみます。事実上、完全自前での食事提供が不可能となるでしょう。したがって、介護施設による自前での給食提供は激減し、現在15%程度の完調品利用率はさらに拡大します。そして、クックサーブで受託していた給食会社も同様に、現地調理員を集めることが今後さらに難しくなるため、完全調理済み品を活用した運営にどんどん切り替わっていきます。
こういう状況になってくると、完調品を作ることができる給食会社が、完調品を作れない給食会社へ商品を供給するビジネスも進行します。つまり、完調品を作れるメーカーの立ち位置が高くなっていきます。
介護施設への営業方法も変える必要がある
このように、まだまだ伸びていく完調品メーカー事業ですが、市場が伸びればプレイヤーも増え、現時点で価格競争に入っています。
一方で、安かろう悪かろうの淘汰も同時に進んでいきます。ここで良いポジションをとるには、ブランド力、信頼感。たくさん同じようなサービスが並んだ中で、安心して頼める「完調品メーカー像作り」が重要です。
そのために、当社のお付き合い先様に取り組んで頂いていることが、上記に悩む介護施設経営者・職員を味方につけるための、「導入サポートの一番化」と「証明力の一番化」です。契約前の段階で、現地職員が「これなら私たちの仕事が楽になる」、施設経営層が「これならコストと再現性の両立ができる」と実感できる営業手法です。具体的な手法はノウハウそのものなので、割愛しますが、上記コンセプトで営業するスタイルに切り替えれば、大きく成果を伸ばしていけます。
CKを持つ給食業は「食品製造業」という枠で
給食業は何業か?様々なシーンで提供する生活インフラ業であり、これからもその価値は高まっていくばかりですが、食品製造業という1つ大きな定義で、今の事業を再定義すると給食業の新たな価値が生まれてきます。とんこつスープをCKで炊き、ラーメン店を出店している会社が出てきたりと、可能性は無限大です。