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社員育成は我慢~次期給食業社長へ贈るメッセージ~

野間 元太

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野間 元太

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売上・粗利を増やしたい

次期社長として組織を率いるにあたり、必ず直面するのが「なぜ自分ができることを社員はできないのか」「なぜ同じ熱量で動いてくれないのか」という葛藤です。これは多くの経営者が通る道であり、真剣に会社を背負おうとするからこその悩みです。

我慢とは「待つ力」のこと

経営者は高い視座と幅広い経験を持っています。だからこそ、自分には当たり前にできることを社員ができないことに違和感を覚えるのです。しかし、社員はまだ同じ経験を積んでいません。能力の差は努力不足ではなく、時間の差であることが多いのです。我慢とは、社員が自ら気づき、試行錯誤を繰り返しながら成長する過程を信じて待つことです。結果を急いで口を出しすぎれば、社員は自分で考える力を失い、依存的な人材になってしまいます。「放任」と「我慢」は異なります。我慢とは「信じて見守る姿勢」に他なりません。

失敗を通じた「学び」を支える

育成の過程では、失敗は避けられません。重要なのは、失敗を叱責で終わらせず、成長の糧に変えることです。挑戦の先に失敗があっても、それを共に振り返り「なぜうまくいかなかったのか」を考えることで、次の挑戦につながります。ここで必要なのは、経営者自身の余裕です。失敗を一時的な損失ではなく、長期的な成長への投資と捉える視点が求められます。「失敗しても次につながる」と示すことで、挑戦を恐れない風土が生まれ、組織全体の活力につながります。

言うべきことは曖昧にしない

我慢と「なーなーにすること」は決して同じではありません。言うべきことを曖昧にすれば、社員は誤った方向に進み、本人も組織も成長の機会を失います。大切なのは「愛情を持って厳しいことを伝える」ことです。感情的に怒るのではなく、事実に基づき、未来のために指摘する。それこそが真の指導です。我慢は「待つ力」、叱責は「正す力」。この二つを両立させてこそ、社員は健全に成長します。

楽しんで働ける環境づくり

これからの時代、社員が力を発揮するには「楽しさ」が不可欠です。かつては忍耐や根性が重視されましたが、持続的な成長には「前向きに働ける文化」を育てることが重要です。楽しめる職場とは、単なる娯楽の場ではありません。挑戦を歓迎する文化、小さな成功を共有できる空気、互いを認め合える関係性が根付いた場です。楽しさは人を惹きつけ、主体性を引き出します。社員が「やらされている」のではなく「やりたいからやる」と感じられる状態をつくることこそ、次期社長の役割です。

オーソドックスな実行すべきアクション例

・定期的な1on1面談の導入

成果だけでなく努力や悩みに耳を傾ける場をつくり、社員との信頼を築く。

・「気づかせる質問」の習慣化

答えを与えるのではなく、問いを投げかけることで社員に考える力をつける。

・叱るときのルールを明文化

感情ではなく「事実」と「未来」のために伝える基準を自分の中に持つ。

・挑戦を評価する仕組みの整備

結果よりも挑戦そのものを称える文化を社内に広める。

・小さな成功を共有する仕組み

日々の業務での工夫や改善を全員で称賛し、「やってよかった」という喜びを実感できる場を設ける。

「我慢と勇気で信じ、楽しさで未来をつくる」

社員育成は農業に似ています。水を与えてもすぐに実はならず、根が広がって大樹に育つには時間が必要です。経営者の役割は、この過程を信じて環境を整えることです。信頼を基盤に、失敗を恐れず挑戦でき、楽しさを感じられる職場を築ければ、社員は自ら動き出し、組織の力は大きくなります。次期社長に求められるのは「社員を信じて待つ我慢」「愛情を持って伝える勇気」「楽しんで働ける環境を根付かせる力」です。社員が「やりたいから挑戦する」と思える場をつくることこそ、これからのリーダーに必要な姿勢であり、会社の未来を切り拓く原動力となります。

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この記事を書いた人

野間 元太

野間 元太

東京都飯田橋にて生を受ける。 東証プライム上場 国内大手コンサルティングファームである株式会社船井総合研究所出身。 これまで日本に存在しなかった「給食業コンサルティング」を立ち上げた業界の第一人者。 地場系企業~大手に至るまでの業界トップの支援先数と成功事例を持ち、 その実績は、TBS「がっちりマンデー」 TV放映や各業界紙での特集を受ける等大きな注目を受けている。 2020年1月には、株式会社日本給食業経営総合研究所として独立し、始動。 企業理念「誇り高き給食業への羅針盤」を胸に、業界を先導する存在として、年間365日全国各地を駆け回っている。

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