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長らく給食業界では、売上を伸ばすための「見込み案件作り」は、多くの会社では訪問営業が主流です。しかし給食業界においては
配送などの他の業務と兼務している場合が多く、専任の営業担当者はあまりいないのが実態です。また新型コロナウィルス拡大の影響で、
配送員が相次いで欠勤してしまい、営業担当者が配送に回るといったことも多く耳にしました。このように他業務の状況によって、
訪問数の担保が難しい場合は、売上目標を達成するということがおざなりになり、売上減少を招いてしまいます。
そうならないためには「見込み案件が集まる販売促進の仕組みづくり」を整備しておく必要があります。
販売促進の特性を理解する
販売促進にはPUSH型とPULL型があり、それぞれの特性を理解する必要があります。
PUSH型は企業が特定の見込み顧客に直接的にアプローチする方法で、購入を検討していなかった顧客のニーズを満たすことができたら、
成約につながることが特長です。主要な手法としては、DM、FAXDM、テレアポ、訪問営業等が挙げられます。
PULL型は、顧客が自ら「買いたい」と思い、企業にアプローチしてもらう方法で、今まさに買いたいと思っている顧客が多いため、
成約率が高いということが特長です。主要な手法としては、ホームページ、SNS、リスティング広告、SEO対策、口コミ、展示会等が挙げられます。
従来に比べ、現代はインターネットやSNSの普及により、顧客が自ら情報を得る機会が増えていますが、
一概にどちらがよいというものではなく、目的に合わせて適切な手法を取り入れることが重要です。
年間販売促進の計画が必須
顧客が「欲しい」と思うタイミングは様々です。
営業担当者の工数をかけずに、毎月試食の案件を安定して獲得するためには、多手法・多頻度での販売促進の実施が必要となります。
しかし同じ顧客に多頻度のアプローチは 「またあの会社から届いた」と相手に拒否反応が出ます。
それを回避するためには、主要な商圏を3つ程度にエリア分けし、計画的にアプローチすることです。
毎月販促を実施しているが、顧客の立場では2,3カ月に一度接触していることになります。
私のご支援先では「DM・FAXDM×テレアポ」を外部の専門家に委託し、年間販促計画を立てることで、
専任の営業担当者を配置せずに、試食案件をある程度自動化で集めております。
今は販売促進のタイミングである
円安が進み、毎日のように食材費や包材費の値上げの連絡が入るというぐらいコスト高が続いていることに加え、
2022年の10月に最低賃金は過去最大の引き上げとなりました。
このコスト高をカバーするために、各社値上げを実施しておりますが、値上げの価格は50円という企業もありました。
値上げは顧客にとっては、別の給食会社を考える「きっかけ」になります。
特段不満もなく長年依頼していた給食会社からの値上げのタイミングで、見込み客にアプローチできれば
「せっかくの機会だから他所の話も聞いてみようか」と商談に発展するケースも各社で見られるので、販売促進の仕組化は必須です。