日本給食業経営総合研究所 給食業経営コンサルタントの井上です。
今回は栄養士・管理栄養士向けのテーマでお話していきたいと想います。
栄養士の役割と夢・目標・やりがいは連動しなければならない
給食業において、大きな特徴であり価値なのは「毎日日替わりで大量に低価格で製造ができること」です。その中で、管理栄養士・栄養士の役割は意外と理解されていないケースが散見されています。給食業・食品製造業において、何よりもまず根幹となるのは献立・レシピであり、これがいわゆる設計図となります。献立やレシピ、そして栄養計算等は目に見えて把握されるものですが、重要なのはこの設計図です。これが少しでもずれていたり、誤っていたらどうなるかはおわかりでしょう。例えば、後ろ工程の調理では、仕込み不足・スチコン待ち・揚げ待ち・冷却待ち等々、オペレーションを崩され品質も維持できなくなります。つまり管理栄養士・栄養士の役割は、内外において非常に重要なものであり、経営者・従事者ともに役割や価値を再認識すべきだと強く想っています。
さて事実働いている生の声を聴くと「食べることが好き」「食に関わる仕事がしたい」と明確な想いを持って栄養士業務に携わる方が圧倒的に多い一方で、「今後の目標、夢が見えてこない」「相談相手がいない」「日常業務に行き詰まっている」といった声も多かったのが印象的です。実態は、本来の役割や価値を出す機会はあれども、発揮する機会やモチベーションが担保されていないということが課題であり、給食業経営者や幹部はこのあたりをまず自社として真摯に把握すべきと想います。
給食業・高齢者配食の栄養士にはどんな悩みがあるか
日本給食業経営総合研究所では、給食業・配食サービスの管理栄養士・栄養士向けに情報交換会を開催しています。そこで事前に調査した声を見ていくと、次のように①献立作成・発注②工場内・調理作業③人間関係という順でお悩みが多い結果となりました。
これは事実多くの給食業現場、栄養士間で起こっており、職場環境に起因するところがあります。2020年11月に開催した日本給食業経営総合研究所での栄養士情報交換会でも、上記のような声が現場から挙がってきており、この問題を抱えながら栄養士は日々業務に臨んでいる状況です。
給食業栄養士にとって課題解決の近道とは
結論から言うと、横のつながりを持てるかどうかです。これは自社内でのコミュニケーションから同期や先輩栄養士の人数にも依存してしまうため、給食会社毎に問題の形は多様にあります。そのような環境整備を解決することが本質的なものですが、これには採用にはじまる物理的にも時間的にもコストがかかる取り組みとなってしまう可能性が高いです。そういった場合、給食業や配食サービスに携わる栄養士・管理栄養士同士が自社を越えて繋がりを持てる機会が必須となります。
日本給食業経営総合研究所でも『日給研アカデミー』といったコンテンツに、栄養士・管理栄養士向けの情報交換や研修を受けられる機会と場所をご用意しています。「日頃の栄養士業務について悩みがある」「これからのライフプランをどのように考えるべきか栄養士の仲間や先輩に相談してみたい」といった様々な想いに応えられるものです。全国各地の給食業栄養士・管理栄養士の皆さまにとって、やりがいあり長く続けていきたいお仕事として広がっていくように、ぜひ皆さまで業界を盛り上げていければと想っております。ご興味をお持ちの栄養士・管理栄養士の皆さま、そして自社を参加させたい経営者様はぜひお問い合わせいただければ幸いです。
悩みは尽きぬものですが、このあたり情報は掴みにいかねば得られない時代であることも事実です。2021年変化を起こすために、栄養士・管理栄養士の皆さまはぜひ何かを変えるきっかけをご検討してみてはいかがでしょうか。