株式会社日本給食業経営総合研究所(日給研)の代表を務めております野間元太です。
今回は売上を伸ばすために、どのような判断軸で販売促進費に投資をすべきかを解説していきます。給食経営においては、絶対に押さえるべき考え方です。
絶対に押さえるべきCPOとLTVの数値
円安が進み、コスト高が続くため、コストの合理化に突き進む企業が多くなる一方、コロナで減少した売上を確保するための動きも同時並行で行っていることが業界の全体感です。売上を伸ばすためには、そのための投資が必要です。
図1.LTVの考え方
図2.CPOの考え方
CPO:Cost Per Order⇒1件受注することにかかった費用
LTV:Life Time Value⇒受注した企業から得られる累計売上
売上を伸ばすための投資としては、営業人員を増やす、ダイレクトメールの送付、テレアポの実施、WEB広告の実施など様々あります。当然経営者としては、どの手法に投資をするのが最も費用対効果が高いのかを判断し、投資効率の良いものに投資を集中します。
その判断をするために、「LTV」と「CPO」という2つの指標が基本にあります。この数字は、絶対に押さえるべき重要な数値です。この数字を把握していれば、本当は投資効率が良い販売促進手法を、間違った判断でやめてしまうということが減ります。早速ですが、この2つの指標の使い方を簡単に解説いたします。
まず「LTV」についてです。上記の表①を参考に、自社の事業の数字を当てはめていただき、1社受注できるといくら売上が見込め、いくらの粗利が残るかを数値化してみましょう。
上記図1の例を見てみてください。
弁当給食事業の場合、1社受注するとLTVは126万円で、取引期間中の累計粗利が76万円となります。
同様に、介護施設向けパック給食事業の場合は、1社受注するとLTVは約2,000万円で、取引期間中の累計粗利は、1,166万円です。
したがって、選択する手法は、1社受注するのにかかるコスト(CPO)より、LTVや取引期間中に見込まれる累計粗利額以下の金額で受注できるものを選択することが重要です。
そこで、CPOの算出方法についてです。図2の例をご覧ください。CPOの算出方法は、(1)各手法にいくら費用をかけたのか?と(2)その費用で何件受注できたのか?の割り算になります。
もしまだ「LTV」と「CPO」の考え方を採用されていない企業様は、ぜひ導入いただき、費用対効果の高い投資判断にご活用いただければと思います。