いつもありがとうございます。日本給食業経営総合研究所 給食業経営コンサルタントの井上です。
今回はコロナ禍で新たに生まれた弁当給食需要について解説していきます。
弁当給食が持つ強みがコロナ需要としっかりマッチ
元よりある高齢化に伴った宅配弁当や配食サービスの需要に加えて、コロナでの巣ごもり需要によって在宅×弁当の市場性は引き続き堅調に推移しています。デリバリートレンドの追い風を受けて、給食としての宅配弁当や配食サービスの利便性がより一層周知されたことが大きな背景です。
さて一方で事業所向けの給食はどうでしょうか。実態はテレワーク推進、出社人数調整にはじまり食数や売上への影響が大きい状況です。特に社員食堂のような受託給食業は、中止や停止の流れを多くの給食会社から耳にしています。そこで注目されたのが弁当給食でした。ソーシャルディスタンスを取るための食事の持ち運びや、昼休憩を分けて食事を取ることに適したのがこの弁当給食というわけです。委託給食会社でもこの流れに沿って、食堂形式の対面給食から弁当給食の形に一時的にもシフトさせたケースを見てきました。
ホテルで求められる食事も弁当給食の形式に
ここでもう1つ需要として挙がってきたことが、ホテルへの食事です。まだまだ宿泊者が戻ってきていませんが、ホテル併設の飲食店は勿論、近隣の飲食店も開店していないこともしばしば。密を避け室内での食事をとるために、ホテルとして提供する形式はやはりここでも弁当給食なのでした。日本給食業経営総合研究所にもホテル関係からのご相談を頂戴しており、全国の該当エリアへ納品可能な給食会社様をお繋ぎしています。今後ホテル業界も数を見込めない宿泊者へのサービスだけでなく、マンスリー契約でのホテル利用やテレワーク需要に応えることが必須の流れとなるでしょう。その際には食事をどのように提供していくか、給食会社が発揮できる価値はここにもあると確信しています。皆さまのエリアでもぜひホテルへの販促や商談の材料の1つに活用してみてはいかがでしょうか。
弁当給食会社は代行保証や協業先としての候補に
話は戻りますが、委託給食会社にとってこのコロナ問題は甚大です。特に今、セントラルキッチンを持たない多くの委託会社では各地の弁当給食会社を中心に代行保証や協業先として打診の連絡を多数受けています。代行保証とは、給食の受託先にて給食会社が調理不能により食事を提供できなくなった際に、代行保証契約先から食事を提供できるように環境整備しておくことです。ここに弁当給食会社は注目を受け、強みを最大限に活かせる機会となります。これもまた自社からアピールすべきことであり、皆さまのホームページをはじめ代行保証の旨お伝えしておくことも良いのではないでしょうか。
弁当給食が持つポテンシャルはとても奥が深い
壮大なテーマですが、本質としては主の事業所向け給食や産業給食をはじめとした弁当給食のシェアを確実に高めていくことが第一です。しかしターゲットである事業所数が今後倍になることは現実的ではありません。つまり給食業経営者にとっては、これまでのやり方を続け違う結果を生もうとすることなどあってはならないのです。時流・需要を的確に捉え、いち早い対応をすることができるかどうかがカギとなります。
弁当給食の利益を伸ばすテーマについては、また次回以降で触れていきたいと想っています。毎日日替わりを低価格で大量に製造できることが給食業の強みであることを忘れずに、需要への的確さとスピード感を持って給食経営に臨んでいただければ幸いです。