給食の現場では、人手不足が深刻化しています。一方で、高齢者数の増加により給食の需要が高まっているというのが現状です。そのため何らかの対策を講じ、なるべく早く人手不足を解決する必要があります。
そこでこの記事では、以下の2点を中心に解説しています。
- 施設の給食現場の人手不足に関する現状や問題点
- 施設の給食現場の人手不足解決策とは?
この記事を読むことで、給食業務で抱える人手不足の問題に対して、どのようなアクションをとるべきか理解できます。給食の人材に対してお悩みを抱える方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.施設の給食現場の人手不足に関する現状や問題点
介護施設や老人ホームなど施設の給食現場では、人手不足に関してどのような現状や問題点があるのでしょうか。ここでは以下の3つに分けて解説していきます。
- 人材定着が難しい
- 早朝出勤しなければならない
- 業務量が増加しその他の業務に手が回らない
詳しく解説します。
1-1.人材定着が難しい
給食の現場では、人材の定着が大きな課題となっています。以下のような要因から、若い世代の就業意欲が低下しているうえに、経験豊富な職員の離職が増加しているのが現状です。
- 現場でのアナログ作業が多く効率化が進んでいない
- 早朝勤務が多い
- 業界全体の給与水準が低い
これらにより、資格を保有する栄養士や調理師といった専門職でさえ長期的なキャリアを築くことが困難になり、人材定着が難しくなっています。
1-2.早朝出勤しなければならない
給食業務では、早朝からの勤務が避けられず、従業員にとって大きな負担となっています。朝食を提供するためには、深夜や明け方からの仕込みが必要になるからです。
早朝出勤の場合公共交通機関の始発でも間に合わず、宿直を余儀なくされ体力的・精神的な負担が大きいことも見逃せません。
早朝出勤によって健康状態や生活習慣に影響が出る点が、給食業界から人手が離れていく大きな原因となっています。
1-3.業務量が増加しその他の業務に手が回らない
人員に対して給食業務に対するリソースが増えることで、その他の業務に手が回らない状況が生まれています。その結果、定時外での業務処理が常態化しているのです。
業務が圧迫されることで、サービスの質の低下や従業員の疲弊につながる恐れがあり、業務の効率化や人員配置の見直しなど、早急な対策が求められています。
2.施設の給食現場の人手不足解決策とは?
前述したような理由から起きている給食現場の人手不足ですが、ここでは以下4つの解決策をご紹介します。
- 新しい人材を雇用する
- ITを活用する
- 委託給食を採用する
- 調理方式を変更する
それぞれ見ていきましょう。
2-1.新しい人材を雇用する
現場にて今まで雇用をしていなかった以下のような人材を雇用する方法をご紹介します。
- 女性の雇用・定着促進
- 外国人の雇用促進
- 高齢者の雇用促進
2-1-1.女性の雇用・定着促進
給食業界における人手不足の解決策として、女性の雇用促進が注目されています。近年、女性の就業者数は着実に増加しており、大きな潜在力を秘めています。特に2012年から2021年までの9年間で、約340万人も女性の就業者数が増加しています。
引用元:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約|総務省統計局
この傾向には、以下のような背景が考えられます。
- 女性の社会進出に対する意識の変化
- 働き方改革による職場環境の改善
- 子育て支援策の充実
給食業界ではすでに栄養士・調理員の方を筆頭に女性の割合が多く、既に活躍されているケースが散見されますが、女性が働きやすい職場環境作りが出来ている企業は少ない印象です。
女性が多い職場だからこそ、働き続けやすい産休育休制度の導入も必須となっています。
2-1-2.外国人の雇用促進
近年、日本における外国人労働者数は急速に増加しており、2022年には182.3万人に達しました。この10年超で3倍以上に増加したことになります。
引用元:日本の外国人労働者:2022年は過去最多の182万人に―厚生労働省調べ | nippon.com
ただし、労働力確保の需要に対して供給が追いついていない現状があります。技能実習生制度の見直しなど、制度面での改善が進められていますが、さらなる取り組みが必要です。
給食業界でも、外国人技能実習生の受入が進んでいますが、多文化共生の職場づくりが求められています。
2-1-3.高齢者の雇用促進
65歳以上の就業者数は2004年以降、19年連続で増加し、2022年には過去最多の912万人に達しました。
大手の給食会社では既に定年年齢の延長などが進んでおり、業界全体でも雇用拡大が予想されます。高齢者の体力や健康状態に配慮しつつ、その経験を活かせる職場環境の整備が重要です。
2-2.ITを活用する
給食の現場でITを活用することで、従来の労働集約型の業務スタイルからの脱却と効率的な運営を実現し、従業員の負担軽減と業務品質の向上が期待できます。
ITを活用することで、現場での在庫管理や献立管理の自動化や人為的なミスの低減を期待でき、その他のより付加価値の高い業務にリソースを割けるようになるためです。
給食の現場におけるITの活用方法として、たとえば以下のような方法があります。
- クラウド型の給食管理システムの導入
- AIを活用した献立作成ソフトウェアの利用
- タブレット端末を用いた現場での情報共有
これらの施策により、煩雑な事務作業が大幅に削減され、作業の省力化が進みます。結果として、従業員の労働環境が改善され、人材の定着率向上にもつながります。さらに、コスト削減効果も期待でき、従業員の待遇改善や新規採用の強化にも資金を振り向けられるようになるでしょう。
2-3.委託給食を採用する
給食の現場に委託給食を採用することで、施設外部のリソースを活用することが可能です。
委託給食では、事業所や施設が直接給食業務をおこなわず、外部の給食会社に委託します。施設が自ら給食業務の全工程を手掛ける直営給食とは異なり、外部のリソースを利用して給食を提供できる点が魅力です。施設の人材が不足している場合は、いち早くリソースを確保できる手段といえます。
委託給食については以下の記事で更に詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:委託給食とは?メリット・デメリットや委託先の選び方6選を解説
2-4.調理方式を変更する
今までの調理方式を見直し、新調理方式へ変更する方法もあります。
介護施設や老人ホームなどの高齢者施設では、その場で調理し提供されるクックサーブが一般的な調理方式でした。ですがクックサーブでは、給食の仕込みから調理・片付けまでをその日に対応する必要があり、労力が大きいという問題点がありました。
クックサーブの問題点を解決する方法として有効なのが、クックチルをはじめとした新調理方式の採用です。クックチルでは、食事を提供する際は湯煎やスチームコンベクション等を利用し再加熱し盛り付けのみおこなえば良いため、当日や調理場での作業が簡略化されます。
クックチルについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:クックチルシステムとは?調理の流れや給食におけるメリット・デメリット
3.給食現場の人手不足は日本給食業経営総合研究所が解決します!
給食現場の人手不足でお悩みの方は、ぜひ日本給食業経営総合研究所へご相談ください。
日本給食業経営総合研究所は、日本で唯一の給食専門コンサルティング会社として、人手不足のお悩みを抱える給食の現場を支援させていただいた実績があります。
また、人手不足のお悩みだけでなく、地域に根差した給食会社のご紹介や運営方法のご相談も承ります。
給食現場で人材確保や運営にお悩みの方は、ぜひ一度日本給食業経営総合研究所までお問い合わせください。
4.まとめ
いかがでしょうか。給食の現場では、人手不足が日々深刻化しています。一方で、高齢者数の増加に伴い給食の需要が高まり、現場では業務の逼迫が起きているのが現状です。
その解決策として、この記事では以下4つの解決策をご紹介しました。
- 新しい人材を雇用する
- ITを活用する
- 委託給食を採用する
- 調理方式を変更する
現在の給食運営状況を見直し、自分たちにとってどの解決策が有効かを検討してみてください。
日本給食業経営総合研究所では、その経験と給食業界に専門特化しているという強みを活かして、あなたのビジネスを支援します。給食業務に関するお悩みをお持ちの方は、「日本唯一の」給食業専門総合コンサルティング会社である日本給食業経営総合研究所にぜひご相談ください。
給食業のコンサルティングなら
日本給食業経営総合研究所にお任せください!
お電話でのご相談はこちら
フォームからのご相談はこちら
給食業に関する最新情報や
セミナー情報が届きます!