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我が国日本では、諸外国と比較すると、総合食料自給率はカロリーベースでみると38%となっています。38%しか日本でまかなえないということは、62%を海外からの輸入に頼っているということが言えます。またエネルギー自給率は、先進国の中でも日本は低く12.1%となっています。87.9%を海外からの輸入に頼っています。
これに加え、円安の流れが止まりません。2022年10月20日に一時1ドル=150円を超えました。自給率が低い日本では、今回の円安の影響で、食材の高騰はもちろん、電気代、ガス代、ガソリン代…等の価格が値上がりしているのは、このためです。円安が進むと我々の生活にまともに影響を与えます。歴史的な円安による物価高騰を、消費者としても日々実感するようになりました。
これは毎日日替わりで大量にリーズナブルにお食事を提供する給食業界にとっても、大きなインパクトを与えております。2022年は、ほとんどの給食会社にて値上げを実施されたと思います。さらに最近問題となっているのは、物価の上昇に賃金が追い付いていないということです。多くの人の賃金は上がっていません。この厳しい状況の中で、新しい客層を獲得できている事例をご紹介させていただきます。
ランチ外食の予算の変化
先述した状況の中、給食業のお隣の外食業でもその影響は出始めています。それは平日のランチの予算を30%の人が減らしたというデータがあります。働く人たちがランチの予算を減らして、自炊、あるいは家族が作ったお弁当でお昼ご飯をすませるということが増えており、確実に平日ランチの外食離れが起こっています。
ランチ外食の層が給食弁当のターゲットになる
外食産業にとっては厳しい状況ですが、これは毎日日替わりで大量にリーズナブルに作ることができる給食業界にとっては、追い風となりそうです。今までランチで外食店舗にて500~700円使用した客層が、予算を減らして他のお昼ご飯の手段を模索しているのです。つまり給食業界のターゲット層となり得ます。今まで外食を選択していた、ランチ外食予算帯の層をターゲット化して、この客層を獲得することができれば、1事業所からの注文食数が減る傾向ことの対策にもなります。
しかしランチ外食をしていた層は、弁当給食がお昼ご飯の選択肢にありません。この層を取り込むためには、「単品に特化した商品開発」が必要です。つまり給食会社にも「あそこのあれ食べたい」という一番商品が確実に必要になってきております。これを日給研では、「給食業の外食化」と呼んでおり、ご支援先ではこういった商品開発を2021年より取り組んできております。
一番商品の作り方は、「マーケットが大きい商品」、「自社の強みの商品」から磨いていくことです。例えば3時間牛骨で炊いたスープで作ったカレーやからあげグランプリ金賞を受賞したからあげ弁当など、外食店の味のクオリティをお弁当でも実現しています。
商品が開発できれば、現在の納品先企業で、まだ自社のお弁当を喫食されていない方向けに「認知アプローチ」を徹底的に強化することで、新しい客層が獲得でき、食数が純増します。この外部環境が厳しいですが、給食業界にとってはこのような追い風の面もありますので、ご参考にしていただければと思います。