いつもありがとうございます。日本給食業経営総合研究所 給食業経営コンサルタントの井上です。
本日は給食会社における配食・高齢者向け弁当宅配の市場性についてお伝えします。
給食業が持つストック型ビジネスの強み
給食業が持つ最大の強みと特徴は、やはりなんと言ってもストック型であるということでしょう。単発の案件とはならず、日々の需要に応えるサービスであるため、毎日売上が立つ安定した事業として育っていきます。コロナのように有事の際には特にスポット需要は減り、日配も少なからず影響は受けますがゼロということにはなりません。給食会社として、安定した事業の柱をいくつも持てることに感謝し、未だ事業に懸念を持たれる給食会社様は検討を深めることをお勧めします。
配食は「高齢化×宅配需要」の追い風を受ける
元々シニア向けのサービスは、需要が右肩上がりなことはありますが、この宅配需要に沿って更に拡大傾向となっています。その中で今回のテーマである高齢者向け弁当宅配・配食サービスは給食会社が比較的ハードル低く参入できる事業として注目を受けています。これは個人宅のご高齢の方々へ毎日お食事を宅配するサービスであり、既に地方給食会社でも参入されているケースは多いです。しかしまだシェアを獲りきれていないことも実態であり、まだまだ拡大余地を多く持っています。
給食会社がなぜこの配食事業に多く参入するのか、それは既存資源で十分に拡大できるからです。製造、配送、事務と設備投資無しに売り上げを付加できることが大きい要因です。それぞれ付随する経費もありますが、利益を最大化させる内容については次回以降のコラムにて取り上げたいとおもいます。
ご存知の通り高齢化は進む一方ですが、2025年~2035年が第1黄金期・2045年~2055年が第2黄金期として市場は推移していきます。これは人口推移としてほぼ確実に推移していくことから事業拡大の計画も立てやすく、魅力的な市場です。では競合はどうなのかといえば、FCを中心にシェアを確実に獲りに行く取り組みをされています。しかしいわゆる大手企業は個人宅向けの細かい対応などする意向などなく、地場給食業としてはチャンスの多い事業として見られているわけです。
同時に問題視されていることがあります。それは単独高齢者世帯の増加です。つまり高齢者世帯のかなでも単身や夫婦のみの世帯が増えることで、生活に困る高齢者も並行して増えてしまう状況にあります。しかしこれには国や民間企業も努力して生活インフラを整えるようにしていますが、まだまだ浸透しきれていないことも実態です。
日本給食業経営総合研究所としては、給食の専門家として、地域包括ケアシステムを全面に賛同とサポートしています。特に在宅に対する給食業の貢献度は非常に高いものがあります。収益性の高い配食・給食業の拡大に加え、社会性高い事業の付加により給食会社としてのブランディングにも繋がることとなります。
自社商圏での配食市場性はどうなのか?
日本給食業経営総合研究所では、これまで多数配食サービス・高齢者向け弁当宅配の立ち上げをして参りました。そのうえでまず見えるべき指標は、自社商圏での市場規模です。これは以下の通り考えることが可能です。
【市場規模=65歳以上人口×利用率7%×単価×年間利用日数】
利用率とは、在宅している高齢者が夕食を宅配・配食として利用する割合として考えており、エビデンスはこれまでの日本給食業経営総合研究所実績からのものです。また現在業界の平均単価は550円となっており、平均の利用日数は1週間で4.5日程度と算出されています。
例えば山梨県を事例として、見ていきましょう。
人口や世帯数は算出当時のものですが、考え方はこの通りとなります。日本給食業経営総合研究所では市場規模から収支シュミレーションまで算出することもご相談に乗れますので、ご興味ある方はぜひ一度ご連絡いただければと存じます。