株式会社日本給食業経営総合研究所(日給研)副代表の井上裕基です。
本年も給食業界の皆さまに大変お世話になり、誠にありがとうございました。本誌をご購読されている方からのメッセージもいただき、私にとっても励みとなり、2024年も業界のために一層精進して参る所存です。
さて今回は昨年に続き、2024年給食業界の経営戦略提言をお贈りしたいと思います。これらは一年を振り返り、給食業界に専門特化した日給研がルール化したものです。特に2023年は給食会社の経営破綻報道を受け、世の中が震撼し歴史に刻まれる事件が起きました。一方で世論は味方し給食業が認知され、存在意義が大きく高まったと確信しています。今給食会社はスタートラインに立ちました。ここから動いた企業と動かない企業の差が一層明確になるでしょう。
コストは上がり続けるものとして経営していかなければならない前提で、事業所給食は他社より先にシェアと客単価アップすることがカギとなります。そしてより消耗戦に入らぬよう合理化を推進し、最大化させた利益を在宅・シニア・メディカルと伸びる市場へ再投資することがポイントです。
2024年は追い風の給食業界がすべきことは一体何か?
給食業界全体
追い風傾向!「食のインフラ」である認知と価格を上げるチャンスの年へ!
☑セントラルキッチン、工場稼働率を上げるため時間帯別の仕事を受注せよ(1CK多ブランド化)
☑給食業界の市場規模は「客単価を上げる」ことでまだまだ伸びる!
産業給食弁当
良い弁当をつくってとにかく営業した者勝ち!
☑ WEB受注・キャッシュレスで顧客を囲い込め
☑ 食数売上を伸ばす給食会社は残食調査をする
☑ 500円以上で売れる特弁を作って売るべし
☑ 小袋調味料廃止、味噌汁有料・お椀顧客負担
☑ 配送コース合理化は人に任せずAIを活用せよ
☑ 弁当を一本化、容器とともにリニューアル
☑ 給食会社で「●●グランプリ」の金賞受賞
☑ 営業は3人以上のチーム制にするべし
委託給食(社員食堂・介護施設・病院)
案件続出!世論に乗っかり管理費増して案件を掴め!
☑ 喫食率を上げる魅力的なフェアを実施せよ
☑ 管理費を上げ拠点営業利益10%をベースに
☑ CK方式・完調品ハイブリッドモデルが強い
☑ 手動1か月の献立作成はAIで20分に削減
☑ 「お客様の声」を最低20件収集せよ
配食サービス
ラストワンマイルを押さえた給食業は強い!迷わずシェアアップと客単価アップ
☑ 折り込みには試食日と弁当写真を掲載すべし
☑ 客単価を上げる特弁と非日常品を販売せよ
☑ 土日祝・長期連休に冷凍弁当を有効活用せよ
介護施設向けパック給食(完全調理済み食品)
売る物と売り方に変化をつけるべし!
☑ 地方は常食、主要都市は形態食を売るべし
☑ 協業セミナーで決裁権者リードを獲得せよ
☑ 他エリア給食会社と製品をシェア販売すべし
☑ 製造効率と商品力アップには調味液OEMへ
その他
☑ 個性的な採用コンセプトを導入せよ
☑ 絵や動画でビジョンを表現・共有するべし
☑ 若手幹部育成のための研修に投資せよ
2024年も日本給食業経営総合研究所を宜しくお願い申し上げます!