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はじめに:食材費・人件費の負担に苦しむ介護食事業者の今
いま、配食サービスや介護施設の厨房運営を任されている給食会社は、これまでにないほど厳しい経営状況に置かれています。米をはじめとする食材費は「かつての倍近い」価格まで高騰し、毎年のように上がる最低賃金のせいで、人件費の負担はどんどん重くなっています。
特に、1軒あたりの平均お届け食数が1.5食程度にとどまる在宅向け配食サービスでは、ガソリン代の値上がりも重なり、普通にやっているだけでは利益を出すのが非常に難しいビジネスモデルになっています。
値上げに踏み切れない「業界特有の構造」と値上げを諦めた先にある倒産・失注のリスク
多くの事業者がこれだけ苦しんでいるにもかかわらず、値上げ交渉をためらう一番の理由は「施設からの契約を切られてしまう(他社に乗り換えられる)のが怖いから」です。給食業界には昔から「下請け」として立場を低く見られてしまう上下関係が根強く残っています。また、施設側も国が定める介護報酬という枠組みの中で運営しているため、値上げをお願いしても「ない袖は振れない」と断られてしまう構造があるのも事実です。

しかし、値上げを諦めて無理なコスト削減や安売りを続けた結果、どのような未来が待っているでしょうか。
広島の有力な給食会社が無理な安売りとコスト削減の限界を迎え、突然破産・廃業しました。
その結果、全国150箇所以上の取引先の約半数の施設で高齢者や学生への食事が突如としてストップする大事件へと発展したのです。
コストを削減しようとして、おかずの質やボリュームを落として頑張りすぎると、食事が「まずい」と評価されてしまい、結局は他社に切り替えられて契約を失うことになります。
安易なコスト削減は、お客様である施設、アンド実際に食べる利用者からの信頼をすべて失ってしまう一番の原因になります。
介護施設から選ばれる「専門性」の正体とは?
施設から「ここの給食は他より少し高くても、絶対に手放せない」と選ばれ続けるためには、介護食ならではの「一番の強み(付加価値)」をアピールする必要があります。その正体とは、単に「美味しい」「見た目が良い」ということだけではなく、施設側が一番気にしている目標(KPI)である「喫食率(残食率)」を上げること、つまり、入居者様が「痩せない(体重を維持できる・しっかり太れる)食事の提供力」にあります。
なぜ「痩せない介護食」が最大の強みになるのか

介護施設に入居している高齢者の方々は、噛む力や飲み込む力がだんだん弱くなっていきます。日中はあまり動かないものの、生きているだけでエネルギーを消費(基礎代謝)するため、食べる量が減ると一気に痩せ細ってしまいます。
だからこそ、
- 「美味しいから、見た目が美しいから、楽しいから」という理由で食欲がわいて完食できる工夫
- 食べる力が弱まった方でもしっかり栄養が取れる量(ポーション)の担保
これらを通じて「残食」を減らし、入居者様の体重・健康を守れる給食会社は、施設にとってなくてはならない重要なパートナーになります。日給研では、施設が満足する食事を提供するために、「残食率」「喫食率」「完食率」「体重の増減」という4つの指標を意識した食事づくりをおすすめしています。
日給研(日本給食業経営総合研究所)の個別コンサルティングでは、施設が求める食事の量や、カロリー、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)をきちんと調査し、ルール化した「選ばれる商品力」の作り方をお伝えしています。感覚だけに頼らない、喫食率を高めるための具体的な食事の改善方法をサポートします。
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食事事故を防ぐ「嚥下食」の対応力とメニュー開発の基本
介護食において、食事の事故(喉に詰まらせる窒息や誤嚥)を防ぐことは絶対条件です。普通食や嚥下食(えんげしょく)に至るまで、正しい知識と対応力が求められます。
- だれが作っても同じ品質で作る技術(脱・属人性)
- 熟練の調理師さんがやめてしまったら、同じ硬さやとろみを作れなくなる、という状態は危険です。どのスタッフが作っても、均一で安全な食形態を再現できる仕組みが必要です。
- 「見た目の美しさ」と「食べる喜び」を一緒に届ける
- すべてのおかずをただペースト状(ミキサー食)にしただけの「見た目が悪い食事」を出してしまうと、入居者様の食べる気が一気になくなり、完食してもらえなくなります。見た目のきれいさを保ったまま、飲み込みやすく仕上げるおかずの開発が、プロの専門性の見せ所です。
人手不足の厨房を救う「調理済み・冷凍介護食」ハイブリッド型オペレーション
近くに時給の高い大きなスーパーや店舗ができると、最低賃金での募集では人が集まらなくなります。こうした介護現場の「人手不足」を解決しながら、質の高い介護食を出し続けるための切り札が、「クックチル(完全調理食品)」などの調理済み冷凍食材の活用です。
むかしながらの「クックサーブ(現地調理)」が抱える限界
施設ごとの個別の献立に合わせて、材料の仕込みから現地で行う「クックサーブ」方式には、いくつかのデメリットがあります。
- ノウハウが蓄積しない:施設ごとに違う献立・レシピで行うため、属人化しやすい。
- 再現性がない:作る人の感覚に頼るため、味やとろみの品質が安定しない。
- マンネリ化の罠:スタッフが1人辞めるだけで手数が足りなくなり、手の込んだメニューが出せなくなる結果、簡単なメニューばかりになり食事がマンネリ化する。
クックチルとクックサーブの違い
厨房での調理方法には、大きく分けて「クックサーブ」と「クックチル」という2つのやり方があります。
クックサーブとは、従来通りの「現地調理」のことで、食材の仕込みから加熱調理、お皿への盛り付けまでをすべてその日の施設厨房で行う手法です。手作りの温かみがある一方で、スタッフの腕前によって味やとろみの品質がバラつきやすい点や、人手が不足すると現場が回らなくなるデメリットがあります。
これに対して「クックチル」は、別の場所であらかじめ調理した料理を「急速冷却」してパッキングし、施設へ届ける手法です。施設の厨房では、届いたお食事をチルド(低温)状態のまま保管しておき、提供する時間に合わせて再加熱して盛り付けるだけで完了します。
これにより、現地での作業時間が圧倒的に短くなり、専門の調理師がいなくても、だれが作っても同じ品質の介護食を安全に提供できるようになります。
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👉【クックチルとクックサーブ】両者のメリットやデメリット・違いとは?
セントラルキッチン(CK)とクックチルの違い
厨房の効率化を調べていくと、「セントラルキッチン」と「クックチル」という言葉がよく出てきますが、これらは意味が異なります。 セントラルキッチン(CK)とは、複数の施設で出すお食事を1箇所でまとめて集中調理する「施設(工場)」そのもののことを指します。
一方のクックチルは、先ほど説明した通り、調理したものを急速に冷やして保管・配送する「調理・保存の技術(仕組み)」のことです。つまり、セントラルキッチンという「大きな工場」の中で、クックチルという「効率的な仕組み」を使って介護食が作られている、という関係になります。
自社でセントラルキッチンを作るには億単位の大きな投資が必要になるため、まずは外部のクックチル食材をうまく仕入れて活用することから始めるのが、リスクを抑えて厨房を効率化する賢いアプローチです。
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👉クックチルシステムとは?調理の流れや給食におけるメリット・デメリット
完全調理品(完調品)のメリットと活用法
人手不足の現場をすぐに救うための具体的なアイテムが「完全調理品(完調品)」です。これは、工場のプロの料理人が完全に調理を済ませ、あとは温めるだけの状態(冷凍やレトルトなど)になっている食品のことです。
完全調理品を導入する最大のメリットは、厨房から「包丁を使う作業」や「火を使ってイチから味付けする作業」をなくせる点にあります。野菜を切ったり、とろみの硬さを細かく調整したりする手間が省けるため、調理にかかる時間や人件費を劇的に削減できます。さらに、賞味期限が長い冷凍の完全調理品であれば、急な欠員が出た日のバックアップや、食事のマンネリ化を防ぐための豊富なメニュー展開にも大いに役立ちます。
「今の調理スタッフに無理をさせず、食事のバリエーションを増やしたい」という事業者様にとって、最も手軽に始められる厨房改善の手法です。
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👉クックチルにデメリットはある?導入で後悔しないための方法とは?
今の時代に求められる:「ハイブリッド式」オペレーション
人手が足りない今の時代、現地調理か完全クックチルかの「どちらか一方だけ」にする必要はありません。日給研では、現地での手作りも少し残しつつ、手間や人件費のかかる工程にはクックチルをうまく取り入れる「ハイブリッド式」など、3つのカードを状況に合わせて使い分ける運用を推奨しています。
手間のかかる嚥下食やミキサー食のベース、仕込み工程などをセントラルキッチンや調理済み食品に置き換えることで、現場の「無理・ムラ・無駄」をなくし、人手不足でもマンネリ化しない厨房を作ることができます。

「クックチルの正しい取り入れ方がわからない」と言う場合の現場指導はもちろん、「自社工場がないため良い仕入れ先を見つけたい」という企業様へのマッチングやパートナー提携、具体的な仕組みづくりも日給研で一貫してサポートをしています。
3つのステップで実現する!介護食事業の収益拡大ロードマップ
ここまで解説してきた取り組みを組み合わせることで、みなさんの会社も「無理なく利益を増やしていく成長のサイクル」を回すことができるようになります。

このように、「①施設に選ばれるメニューで取引先を増やし」「②増えた案件に少ない人員で対応できる体制を作り」「③適正な値上げで利益をしっかり守る」と言う3つのポイントを順番に進めていくことで、契約を失うことなく、確実な増収(黒字化)を実現することができます。
値上げ交渉を成功させるために、一番大切なポイントとは?
しかし、いざ「ステップ③の値上げ」をやろうと思っても、「契約を打ち切られたらどうしよう……」と心配になりますよね。ただ闇雲に「コストが上がったので値上げさせてください」と伝えるだけでは、取引先の理解は得られず、交渉はうまくいきません。
値上げ交渉をスムーズに進めるには、あらかじめポイントを押さえたしっかりとした準備をして臨む必要があります。
大切なポイントはいくつかありますが、例えば、もっとも重要なことの一つが「交渉を切り出すタイミングの選定」です。 施設の予算がすでに決まってしまった後に値上げをお願いしても、「もう通せる予算枠がない」と断られてしまいます。そのため、施設側が「次の年度の予算」を作りはじめる時期や、国が最低賃金の改定を発表したニュースの直後など、先方が言い訳しにくく、社内決裁を通しやすい絶妙なタイミングを狙ってアプローチすることが成功への鉄則です。
明日から使える!「値上げ交渉実践マニュアル」のご案内
このほかにも、交渉の席で施設側に「これなら納得せざるを得ない」と思わせるための大義名分の立て方や、もし「食材費の値上げは規約上できない」と言われた場合の切り返しテクニックなど、価格改定には押さえるべき具体的なノウハウが数多くあります。
そこで今回、私たち日給研が実際の経営コンサルティングを行う際にも必ず活用している、価格交渉のポイントと進め方を体系的にまとめた「値上げ交渉実践マニュアル」を資料としてご用意しました。
資料の中では、以下のような実践的な内容をさらに詳しく解説しています。
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施設側が拒絶できなくなる「3つの大義名分」の組み立て方
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心理的ハードルが下がる「交渉を切り出すべき5つの黄金タイミング」
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食材費での交渉が難航したときに有効な、もう一つの「項目調整テクニック」
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将来のコスト高騰リスクを自動で回避する、契約書の「防衛条項」の書き方
介護食は、食べなければ生きていけない方々の「命」を預かる、水道や電気と同じ大切な社会インフラです。みなさんが持つ素晴らしい調理技術と、現場で働くスタッフの雇用を守るためにも、安易な値下げや我慢はもうやめましょう。
自分たちもこの3ステップを踏めば利益を出せそうだ、と自社の未来に可能性を感じた方は、ぜひ下記のリンクよりマニュアルをダウンロードして、明日からの経営改善にお役立てください!


