この記事は、行事食を施設への提案力に変えたい給食会社の経営者・営業担当者・運営責任者に向けたものです。
施設へ給食サービスを提供・提案する給食会社の立場から、行事食の企画方法と活用のポイントを解説します。
目次
行事食はメニューと食事体験を一体で企画する
正月、節分、ひな祭り、七夕、敬老の日、クリスマス。施設給食では、季節の行事に合わせた「行事食」が、利用者や園児にとって大きな楽しみになります。一方、給食会社にとっては、施設の満足度を高め、他社との差別化や契約継続、新たな提案に繋げる重要な機会でもあります。
しかし、給食会社の現場では、「毎回メニューを考えるのが大変」「原価や作業時間を増やせない」「施設からどのように評価されたか分からない」といった悩みもあります。特別な献立を一度提供するだけでは、現場の工夫や利用者の反応が、施設の経営層や本部担当者まで伝わらないこともあります。
行事食で大切なのは、高価な食材を使うことではありません。安全性を守ったうえで、対象者に合う楽しさをつくり、施設の行事と連携し、実施後の反応を記録して次の提案へつなげることです。
本記事では、給食会社が介護施設・保育施設へ行事食を提案する際に押さえたい年間企画、施設との役割分担、効率的な運営方法、実施後の効果測定について、事例を交えながら解説します。
介護・保育の事例を、企画提案に活用したい方へ
記事では、行事食の意味、月別メニュー例、介護・保育で異なる企画の考え方を解説します。
写真付きの実践事例を起点に、年間企画、施設との連携、実施後の効果測定までを整理した資料をご用意しました。
記事を読む前に事例から検討したい方にもご活用いただけます。
行事食とは
行事食とは、季節の行事や人生の節目に合わせて食べる料理です。正月のおせちや雑煮、節分の豆、ひな祭りのちらし寿司、端午の節句の柏餅など、料理には季節や健康への願い、地域の文化が表れています。
農林水産省も、和食を単なる料理ではなく、自然や年中行事と結びついた食文化として紹介しています。施設給食における行事食は、こうした季節や文化を食事から感じてもらう機会になります。
日本の行事食と施設給食
家庭では行事ごとに献立を変えられますが、施設給食では安全性、栄養、食形態、アレルギー、食数、提供時間、人員配置を守りながら提供しなければなりません。
そのため、伝統的な料理をそのまま再現することだけが正解ではありません。高齢者には食べやすい硬さや形に調整し、子どもには年齢と安全性に配慮するなど、行事の意味を残しながら対象者に合う形へ変えます。
行事食には、次のような役割があります。
- 季節の変化を感じてもらう
- 食事を一日の楽しみにする
- 昔の記憶や会話を引き出す
- 日本の行事や食材を知る食育の機会にする
- 施設のレクリエーションや保育活動と食事をつなぐ
イベント食との違い
行事食は、年中行事や節目と結びつく食事です。イベント食は、施設独自のお祭り、誕生日会、地域交流会、喫茶企画など、より広い催しに合わせた食事を指すことがあります。
実務では厳密に分けるより、「誰に、どのような体験を届けたいか」を決めることが重要です。例えば敬老の日の祝い膳は行事食ですが、目の前でコーヒーを淹れる喫茶イベントと組み合わせれば、一日の食体験として価値を広げられます。
1月から12月までの行事食一覧
次の表は、代表的な行事とメニュー例です。地域差や施設方針、対象者の状態があるため、そのまま使うのではなく、提案先の施設方針や利用者・園児の状態、現場の運営条件に合わせて調整してください。
| 月 | 主な行事 | メニュー例 | 介護施設での目的 | 保育施設での目的 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 正月・七草 | おせち風盛合せ、赤飯、雑煮風汁、七草粥 | 正月の記憶を呼び起こし、会話や季節感につなげる | 正月や七草の由来を知り、食文化に触れる |
| 2月 | 節分・バレンタイン | 鬼を表現した献立、いわし料理、豆の代替メニュー、ココアデザート | 節分の記憶を呼び起こし、会話やレクリエーションにつなげる | 豆まきなどの行事体験と、食材を知る食育につなげる |
| 3月 | ひな祭り・春分 | ちらし寿司、花形野菜、桜色デザート、ぼたもち風 | ひな祭りの記憶や春の訪れを感じてもらう | 桃の節句を知り、色や形から行事への興味を育てる |
| 4月 | 花見・入園進級 | 筍ご飯、花見弁当、春野菜の献立 | 外出が難しい利用者にも、食事から花見の記憶と季節感を届ける | 入園・進級を祝い、新しい生活への期待を高める |
| 5月 | 端午の節句 | こいのぼり風献立、たけのこ料理、柏餅風デザート | 端午の節句の思い出を呼び起こし、会話を促す | こいのぼりなどの表現から、端午の節句を体験する |
| 6月 | 梅雨・食育月間 | あじさい色ゼリー、かたつむり風盛付、旬野菜 | 梅雨の季節感を色彩で表し、日々の会話につなげる | 紙芝居や旬の食材に触れる活動とつなげ、食への関心を育てる |
| 7月 | 七夕・土用の丑 | 七夕そうめん、星形野菜、うなぎ・代替魚料理 | 七夕の記憶や夏の季節感を楽しんでもらう | 星形の食材を探しながら、七夕を体験する |
| 8月 | 夏祭り・お盆 | 屋台風献立、冷やし麺、すいか風デザート | 夏祭りやお盆の記憶を呼び起こし、懐かしさや会話につなげる | 園の夏祭りと食事を連動させ、行事を一体で体験する |
| 9月 | 敬老の日・十五夜 | 祝い膳、赤飯、月見メニュー、やわらか団子風 | 長寿を祝い、感謝と敬意が伝わる食事体験をつくる | 月や秋の収穫を題材に、自然や食材への関心を育てる |
| 10月 | ハロウィン | かぼちゃ料理、秋のきのこご飯、飾りデザート | 秋の彩りや香りから季節の変化を感じてもらう | 見て分かる演出で、行事への参加意欲と楽しさを引き出す |
| 11月 | 七五三・収穫 | 赤飯、さつまいも料理、炊き込みご飯 | 旬の食材から実りの季節を感じ、昔の食の記憶につなげる | さつまいもなどに触れる体験を通じて、収穫と食のつながりを学ぶ |
| 12月 | 冬至・クリスマス | かぼちゃ料理、洋食プレート、ケーキ・デザート | 冬至や一年の締めくくりを感じ、華やかな時間を楽しんでもらう | 園のクリスマス行事と連動し、友達と特別な食事体験を共有する |
団子、餅、豆、硬い根菜などは、対象者の年齢や咀嚼・嚥下の状態によって危険があります。伝統的なメニュー名だけで決めず、安全な代替食材や形状を検討してください。

喜ばれる行事食を企画する7つの基準
行事食は「豪華さ」だけで評価されるものではありません。企画時は、次の7項目を順番に確認します。
- 安全性
- 対象者の年齢・状態・食形態
- 通常食との違いが伝わる見た目と季節感
- 食事前後を含む体験
- 原価
- 現場の作業負荷
- 翌年も再現できる記録
安全性と個別対応を最初に確認する
介護施設では、咀嚼・嚥下機能、食形態、禁食などを確認します。保育施設では、年齢に応じた食べやすさ、食物アレルギー、誤配膳防止を優先します。
見た目を優先した結果、普段より食べにくくなったり、複雑な個別対応で現場の取り違えリスクが高まったりしては本末転倒です。
こども家庭庁が公開する「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」では、生活管理指導表に基づく対応や、施設内の役割分担、誤食防止などが示されています。行事食も通常食と同じ管理体制の中で計画します。
行事食でも欠かせないHACCPと衛生管理
行事食は、普段と異なる食材、盛り付け、調理工程が増えやすいため、通常献立と同じ衛生管理の仕組みの中で計画する必要があります。
HACCPに沿った管理では、食材の受け入れから保管、下処理、加熱、冷却、盛り付け、提供までの工程ごとに危害要因を確認し、特に重要な温度や時間を記録します。ただし、手順書を作るだけでは事故は防げません。写真や色分けを使って作業を分かりやすくし、判断に迷った場合の報告先や、記録漏れ・基準逸脱が起きた際の対応を決めておくことが重要です。
行事食の特別感を優先して現場の手順が複雑になりすぎないよう、事前の役割分担とリハーサルも行いましょう。通常と異なる食材や器具を使う場合は、専用の確認項目を追加し、実施後に手順を振り返ります。
👉こちらも併せてお読みください【給食会社のHACCP導入計画】外国人スタッフも迷わない厨房の衛生管理手順と危害要因対策チェックリスト
高価な食材に頼らず、特別感を醸成する
付加価値は、原価の高い食材だけで生まれるものではありません。
- 盛付や器を変える
- ランチョンマットやお品書きを付ける
- 季節の色を取り入れる
- メニュー名を工夫する
- 小さなデザートを加える
- 香り、音、会話を楽しめる提供方法にする
こうした工夫でも、利用者が感じる「いつもと違う」は大きくなります。原価を大幅に上げる前に、食事の見せ方と体験を考えます。
行事食の費用負担を年間計画で決める
通常の委託料に含める行事食と、別途費用を設定する特別行事食は、年間計画の段階で分けておくことが重要です。例えば、盛付や小さなデザートの変更は通常の範囲で実施し、食材のグレードアップ、品数の追加、実演を伴う催しなどは、追加費用の対象として整理します。
予算を考える際は、食材原価だけでなく、仕込み・盛付・個別対応・当日の演出に必要な追加人件費も含めて試算します。実施直前に費用の相談をすると、企画の縮小や現場負担の増加につながりかねません。年間の行事候補、通常委託料に含む範囲、特別行事食の概算費用、施設側と給食会社の役割を事前に示し、施設側と予算を協議しておきましょう。
追加コストと5つの条件で実施可否を判断する
行事食の追加コストは、通常献立との差額で考えます。基本的な計算式は、「(1食当たりの追加食材費×予定食数)+(追加作業時間×人件費単価)+演出・備品費+追加の外注・配送費」です。食材費だけで判断せず、仕込み、盛付、個別対応、片付けまで含む追加作業時間を確認します。具体的な金額は施設条件や契約内容によって異なるため、この計算式に自社の実績値を入れて試算してください。
実施可否は、費用だけではなく、次の5つの条件で判断します。
- 安全に提供できるか:食形態、アレルギー、誤配膳、衛生管理の条件を満たせるか
- 施設の目的に合っているか:介護施設の季節感・会話、保育施設の食育・行事体験など、企画の狙いが明確か
- 予算内に収まるか:追加コストと、通常委託料・特別行事食費のどちらで負担するかを施設と合意できるか
- 現場で再現できるか:必要な人員、作業時間、設備、発注時期を確保し、翌年も無理なく実施できるか
- 効果を記録・報告できるか:喫食状況、利用者・園児の反応、施設職員の評価、改善点を残せるか
5つの条件のどれかに無理がある場合は、企画を中止するのではなく、品数や演出を簡素化する、実施回数を絞る、別途費用を設定するなど、実施方法を調整します。
現場で翌年も再現できる内容にする
一度だけ実施できても、仕込みや盛付に過度な時間がかかる企画は続きません。年間計画を先に作り、共通食材、調理工程、人員配置、発注時期を決めておくと、毎月ゼロから考える負担を減らせます。
実施後は、献立、原価、作業時間、残食、利用者の反応、施設からの意見、写真、次回の改善点を残します。この記録が翌年の企画書になり、他施設へ提案するときの事例にもなります。
老人ホーム・介護施設の行事食
高齢者施設では、食事を一日の大きな楽しみにしている利用者も少なくありません。行事食は、季節を感じ、昔の出来事を思い出し、周囲と会話するきっかけになります。
食形態が異なっても行事を感じられる工夫
常食だけを華やかにして、刻み食やソフト食では通常日と見分けがつかない状態は避けたいところです。食形態が異なっても、色、組合せ、器、お品書きなどで「同じ行事を楽しんでいる」と感じられるようにします。
例えば敬老の日であれば、常食の祝い膳だけでなく、ソフト食でも赤や金など祝いの色を使い、デザートや敷紙をそろえる方法があります。食べやすさと安全性を守りながら、共通する季節感を残します。
介護施設の行事食と食形態対応
介護施設の行事食では、季節感や見た目の華やかさだけでなく、利用者の咀嚼・嚥下機能に合った食形態で、通常食と同じ魅力を伝えることが求められます。
刻み食、ミキサー食、嚥下調整食へ展開する際は、硬さやまとまりやすさ、安全性を確認しながら、色や形、盛り付けで行事らしさを残します。また、食形態の種類が増えるほど、調理工程や盛り付け、誤配膳防止の負担も増えるため、メニューの共通化や調理手順の標準化が必要です。
施設への提案では、献立名だけでなく、対象となる食形態、現場の追加作業、安全管理、利用者に提供できる体験まで示すと、付加価値を説明しやすくなります。管理栄養士や介護職などと連携し、食べやすさと実際の反応を次回のメニュー改善へつなげます。
👉こちらも併せてお読みください:【給食会社のための介護食メニュー開発】嚥下食・ミキサー食対応と単価アップ交渉の進め方
レクリエーションや喫茶イベントと連携する
行事食を厨房内で完結させず、施設のレクリエーションとつなげると、食事の価値が伝わりやすくなります。
例えば、敬老会のあとに祝い膳を提供し、午後は利用者の前でコーヒーを淹れる喫茶イベントを開く流れです。同じコーヒーでも、香り、淹れる音、待つ時間、スタッフとの会話が加われば、体験は変わります。
ただし、現場人員、提供方法、衛生面、追加費用を施設と相談し、無理のない範囲で実施します。
保育園の行事食
小さな仕掛けで食事への興味をつくる
七夕に星形の野菜を入れる、ハロウィンにかぼちゃを使う、節分に鬼をイメージした盛付をするなど、子どもが見た瞬間に違いを感じられる工夫があります。
すべての野菜を型抜きする必要はありません。通常の野菜の中へ星形やハート形を少量混ぜれば、「見つけた」という楽しさをつくりながら作業量を抑えられます。子どもによって星形やハート形の食材の数に差が出ないよう、盛り付け方を園と事前に相談します。
紙芝居・栄養教室・園行事とつなげる
給食は、食育の教材にもなります。
「紙芝居で野菜を知る→実物を見て触る→その日の給食で食べる」という流れをつくれば、説明だけでなく体験を通して学べます。栄養士によるミニ教室、季節行事、体操や健康づくりと組み合わせることもできます。
重要なのは、給食会社が一方的に企画するのではなく、園長、保育士、栄養士と一緒に考えることです。園の年間行事や保育方針と合わせれば、給食が園全体の活動の一部になります。

介護と保育では、同じ行事でも企画基準が異なります
記事では、介護の「記憶・季節・食形態」と、保育の「発見・学び・安全運用」という違いの考え方までを解説します。
実際の提案では、対象者、施設行事、現場人員、食形態、アレルギー対応を踏まえ、実施内容と評価方法を具体化しなければなりません。
資料では、介護・保育の写真付き事例をもとに、年間企画、施設との連携、実施後の効果測定へ落とし込む方法を紹介しています。
【事例】行事食からわかる成功の共通点
行事食を施設への付加価値として伝えるには、メニュー写真だけでなく、「誰が企画・実施したか」「施設と何を相談したか」「実施後の反応をどう次回へつなげたか」まで確認する必要があります。
ここでは、給食会社の公開情報をもとに、取り組みの要点を再構成して紹介します。前掲の年間一覧は一般的な企画例であり、以下の匿名事例とは区別してご覧ください。
【介護施設の事例】見た目から季節を感じられる行事食
ある給食会社では、受託先の介護施設で、季節行事に合わせた行事食を提供しています。ひな祭りの取り組みでは、各施設の調理師・栄養士が手作りの折り紙や敷き物を用意し、料理だけでなく見た目からも季節を感じられるよう工夫しました。
この事例から読み取れるのは、高価な食材だけに頼らず、料理の見せ方や手作りの装飾によって季節感を伝えられることです。実施後は写真や利用者の反応を施設と共有し、厨房の工夫を「見える付加価値」として残すことが次回提案につながります。
なお、食形態への対応や施設との役割分担は契約先ごとに異なるため、別途確認が必要です。
【保育施設の事例】給食会社が提供した郷土料理を通常献立へ
ある認定こども園では、給食業務を受託する会社が園と連携し、さまざまな地域の料理に触れる機会として、月1回の「郷土料理の日」に郷土料理を提供しました。園児と職員から好評を得た料理の一つは、その後、通常献立に採用されています。給食会社が提供を担い、園で得られた反応を次の献立へ反映した取り組みです。
この事例で重要なのは、施設側の行事方針と給食会社の献立・調理を結び付け、提供後の反応を次のメニュー判断に使った点です。給食会社が主体となる範囲と、園長・保育士・栄養士など施設側が担う範囲を事前に決めておけば、食育の狙いと現場運営を両立しやすくなります。
一方で、公開事例の結果をそのまま他施設へ当てはめることはできません。手作業や複雑な盛付を増やしすぎず、アレルギー対応や誤配膳防止を優先したうえで、園児や職員の反応を記録します。園長、保育士、栄養士と振り返ることで、継続する企画、改善する企画、通常献立へ展開するメニューを判断しやすくなります。
これらの事例で分かるのは、行事食を一度きりのイベントで終わらせず、対象者の反応を記録して次の献立や提案へつなげる考え方です。実際のメニュー写真、施設への確認事項、次回提案へのつなげ方は、事例付き「行事食」企画・提案ガイドの事例ページで具体的に紹介しています。
行事食の効果を測り、施設へ伝える
行事食の成果を「喜んでもらえたと思う」で終わらせると、次回の改善にも施設への提案にも使えません。ただし、最初から多くの数値を集める必要はありません。自社と施設が無理なく続けられる項目を決め、通常時や前回の行事食と比べます。
効果測定は4つの視点で考える
確認したいのは、次の4つの視点です。
- 喫食:提供数、残食量、選択状況
- 反応:利用者・園児の発言、表情、食事中の様子、施設職員からのコメント
- 運営:原価、仕込み時間、追加作業、提供時の負担
- 施設評価:施設職員・保育士・栄養士の意見、次回の要望
記事では、測定項目の考え方までを紹介します。実務では、誰が、いつ、どの方法で記録し、施設との定例会でどのように報告するかまで決めることが重要です。記録の書式や報告項目が毎回変わると比較できないため、共通の評価シートを用意すると運用しやすくなります。
定例会議で付加価値を「見える化」する
定例会議では、実施写真、利用者・園児の具体的な反応、施設職員の評価、前回から改善した内容、次回の提案を一つの流れで報告します。写真だけを見せるのではなく、「どのような狙いで企画したか」「どの反応が得られたか」「次回は何を変えるか」まで伝えることが重要です。
この報告を積み重ねると、施設側は、日々の給食業務だけでは見えにくい給食会社の企画力や改善力を確認できます。行事食の実施記録を、施設の満足度向上に向けた提案実績として残すことが、付加価値の可視化や契約継続の判断材料につながります。
残食調査を行事食の改善に生かす
残食調査は、行事食が利用者や園児に受け入れられたかを、感想だけでなく提供結果から確かめる方法です。全体量だけでなく、主食・主菜・副菜などの料理区分、調理方法、味付け、量、食べにくさに分けて見ると、改善点を見つけやすくなります。また、年齢層、施設種別、食形態による反応の違いや、施設職員から寄せられた意見を残せば、翌年の企画や通常献立の改善にも活用できます。大切なのは、一度の数値で良し悪しを決めず、仮説を立ててメニューを変え、次回の残食や反応と比較することです。写真、提供数、残食、利用者の声を同じ形式で記録すると、施設への報告や営業提案にも使いやすくなります。
👉併せてお読みください:【残食調査】産業給食で「選ばれ続ける」弁当づくりの秘訣
他施設平均ではなく、自施設の通常時と比べる
施設種別、利用者、食形態、献立、記録方法が違えば、残食率や満足度を単純に比べることはできません。まずは「通常食→今回の行事食→次回の行事食」の変化を同じ方法で記録します。
契約継続は最終的な関係性の結果として見る
「行事食を実施したから契約が継続した」と単純に切り分けることはできません。契約継続には、日々の食事品質、衛生管理、人員体制、価格、緊急時対応など多くの要素が関わります。
そのうえで、行事食を企画・実施・記録し、施設の活動と連携しながら次の提案を続けることで、施設から見た給食会社の評価を変えることができます。単に毎日の食事を提供する業者ではなく、「利用者や園児にどう楽しんでもらうかを一緒に考えるパートナー」になることが、価格だけで比較されにくい関係づくりにつながります。

年間計画と記録で、行事食を給食会社の提案力へ変える
行事食を付加価値として評価してもらうには、献立を工夫するだけでは足りません。自社の行事食計画を施設の年間行事に合わせ、安全性と現場負荷を確認したうえで、実施後の反応を次回の提案につなげる必要があります。
記事で押さえておきたいのは、「企画する→施設とすり合わせる→実施する→反応を記録する→施設へ報告する→改善する」という基本の流れです。この流れがあることで、行事食は一日限りの特別メニューではなく、顧客満足と施設連携を高める継続的な取り組みになります。
一方、実際に自社で進める際は、どの行事を優先するか、介護・保育で企画をどう変えるか、写真や利用者の声をどのように記録するか、施設へ何を報告するかまで決めなければなりません。記事だけでは、自社の契約先や現場条件に合わせた年間計画までは作れないため、企画と評価を同じ型で運用できる資料が必要です。
そこで日給研では、介護施設・保育施設の写真付き事例、季節別メニューの考え方、年間企画、施設との連携方法、実施後の効果測定を一つのガイドにまとめました。
記事の要約ではなく、事例を参考にしながら自社の企画・提案・振り返りへ落とし込むための実務資料です。
「次の行事食を考える」だけでなく、「一年を通じて施設から評価される提案をつくる」ためにご活用ください。
年間企画を作っても、契約先ごとの予算、食形態、現場人員、施設行事によって、実施できる内容は変わります。
日本給食業経営総合研究所では、行事食の年間計画、費用設計、現場負荷の整理、効果測定、施設への報告・提案方法まで、給食会社の状況に合わせて支援します。
自社だけで企画の優先順位や費用負担を決めることが難しい場合は、施設から評価され、継続できる行事食の仕組みづくりについてご相談ください。





