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給食お役立ちコラム

【病院・介護施設向け】直営給食から委託給食へ切り替えるには?判断基準と給食委託会社の選び方

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日本給食業経営総合研究所

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最終更新日

委託給食

この記事は、現在給食を直営しており、採用難や運営負担を背景に委託化を検討したい病院・介護施設側の経営者、施設長、事務長、給食部門責任者に向けた内容です。

調理員や栄養士を募集しても応募が集まらない。欠員のたびに管理者が採用やシフト調整へ追われ、派遣費や残業代も増えている—。病院・介護施設の給食運営では、単なるコストの問題ではなく、直営体制そのものを維持できるかが経営課題になっています。

そこで選択肢になるのが、給食業務の全部または一部を給食委託会社へ任せる「委託給食」です。ただし、委託すれば必ず安くなり、施設側の業務がすべてなくなるわけではありません。食数、食形態、厨房設備、人員、施設が担いたい役割によって、適切な運営方式は変わります。

この記事では、直営給食から委託給食への切り替えを検討している病院・介護施設の経営者・責任者に向けて、検討を始めるサイン、委託範囲の決め方、費用比較、給食委託会社の選び方を解説します。委託ありきで結論を急がず、持続可能な給食体制を考えるための判断軸としてお役立てください。

見積もりを依頼する前に、自施設の条件を整理しませんか

委託会社の提案を正しく比べるには、現状・委託したい業務・見積条件を先にそろえる必要があります。

記事の判断軸を実務に落とし込めるExcel「病院・介護施設のための給食委託化判断・委託先選定シート」をご用意しました。

 

目次

直営給食から委託給食への切り替えを検討すべきサイン

委託化を検討するきっかけとして最も多いのは、人材の確保が難しくなることです。退職者が出るたびに採用を繰り返し、管理者が穴埋めに入り、派遣や残業で何とか提供を続けている状態では、表面上は給食を継続できていても運営の余力が失われています。次のような変化が重なっている場合は、直営を続けるか、委託や別の調理方式を取り入れるかを検討する時期です。

慢性的な欠員、管理負担、品質悪化から病院・介護施設の給食委託化の検討時期を示した図
給食委託化を検討するきっかけとなる3つのサイン

欠員が一時的ではなく、慢性化している

採用を続けても調理員や栄養士が定着せず、常に誰かが不足している状態では、残った職員に早朝勤務や残業が偏りやすくなります。管理者が現場応援へ入り続けると、本来行うべき運営改善や人材育成にも手が回りません。「求人を出しているから大丈夫」ではなく、欠員が何か月も通常状態になっていないか、派遣や応援に依存していないかを確認しましょう。

採用・シフト調整・教育の負担が経営を圧迫している

直営給食の負担は、厨房職員の給与だけではありません。求人広告、紹介料、派遣費、残業代、入職者の教育、勤怠管理、急な欠勤への対応など、多くの業務と費用が発生します。特に、施設長や事務長、給食部門の責任者が毎月多くの時間を採用や調整に使っている場合、その時間も見えにくい運営コストです。

品質・安全・満足度の悪化が見え始めている

欠員や教育不足の影響は、食事の品質にも表れます。残食の増加、利用者や職員からの苦情、ヒヤリハット、発注や配膳のミス、施設職員による厨房応援が増えている場合は注意が必要です。また、追加費用が毎月発生しているのに改善提案が出ない状態も、現行体制を見直すサインです。個別の事象だけでなく、複数の指標が同時に悪化していないかを見ます。

委託会社が受託できる条件かも確認する

施設側が委託化を希望しても、必ず給食委託会社が受託できるとは限りません。施設規模や1日当たりの食数、食形態・個別対応の多さ、厨房設備の状態、立地や周辺の採用環境、近隣拠点からの応援・配送条件などによっては、必要な人員体制や採算を組みにくい場合があります。

なお、受託条件は給食委託会社の事業規模、対応地域、運営方式などによって異なります。以下は、受託可否を判断する際に確認される主な条件の一例です。

  • 食数・提供回数:1日当たりの食数、朝・昼・夕の提供回数、365日運営の有無に対し、必要な人員を配置して採算を確保できるか
  • 食形態・個別対応:治療食、きざみ食、ミキサー食、アレルギー・禁食対応などの種類と件数を、想定する人員と工程で安全に運営できるか
  • 厨房設備:調理・冷却・再加熱・保管・洗浄に必要な設備があり、老朽設備の修繕や更新が必要な場合は費用負担を合意できるか
  • 立地・人員確保:通勤圏内で必要な職種を採用できるか、欠員時に近隣拠点などから応援できるか
  • 運営・配送体制:現地調理、完調品の活用、外部拠点からの配送など、施設条件に合う提供方法を組めるか
  • 契約・採算条件:委託料、食材費、光熱水費、設備費などの負担区分と価格改定条件を含め、継続可能な収支を見込めるか

これらは一律の合格基準ではなく、複数の条件を組み合わせて判断されます。委託化の検討初期から、自施設の食数・食形態・設備・人員・費用負担を具体的に提示し、候補会社へ「受託できるか」だけでなく、「どの運営方式と条件なら安定して受託できるか」を確認することが重要です。

給食現場の人手不足に対する主な解決策

人手不足への対応は、委託化だけではありません。採用条件や働き方を見直す、献立・在庫管理へITを取り入れる、調理工程を変えて作業を平準化するなど、複数の方法があります。

重要なのは、「何人足りないか」だけでなく、どの時間帯・どの作業に負担が集中しているかを確認することです。厨房全体を委託しなくても、業務の組み替えによって負担を減らせる場合があります。

逆に、採用や教育を続けても安定しない場合は、外部の運営力を活用する委託化が有力な選択肢になります。

人手不足の原因と、採用・IT活用・委託給食・調理方式の見直しについては、こちらも併せてお読みください。

👉「給食の現場で深刻化する人手不足の解決策とは?」

直営給食と委託給食の基本的な違い

直営給食は、施設が調理員や栄養士を雇用し、献立、発注、調理、衛生管理などを自ら運営する方式です。施設の方針を現場へ反映しやすく、利用者の状態に合わせて柔軟に対応しやすい一方、採用、労務管理、教育、欠員対応まで施設が担います。

委託給食は、契約で定めた業務を給食委託会社が担う方式です。人員確保や厨房運営の負担を軽くできる可能性がありますが、栄養管理、委託先との調整、提供品質の確認、事故・苦情への対応、契約の検証まで手放せるわけではありません。違いを「自前か外注か」だけで捉えず、誰がどの責任を持つかで比較することが大切です。

それぞれの一般的なメリット・デメリットを先に確認したい方は、こちらも併せてお読みください

👉「委託給食と直営給食の違いとは?それぞれの特徴や給食会社の選び方」

委託化で減らせる業務と、施設側に残る役割

委託化によって減らしやすいのは、契約範囲に含めた採用、シフト作成、従業員教育、調理、仕入れなどです。一方、施設には委託後も果たすべき役割があります。ここを曖昧にすると、「委託したのに仕事が減らない」「必要な対応が契約外だった」といった行き違いが起こります。

委託会社へ任せやすい業務

  • 厨房職員の採用、配置、勤怠・シフト管理
  • 調理、盛り付け、洗浄、厨房内清掃などの現場業務
  • 食材の調達、在庫管理、従業員教育
  • 契約内容に応じた献立作成、発注、衛生管理

施設側が持ち続ける役割

  • 利用者・患者の栄養管理と施設方針の決定
  • 委託会社との連絡、会議、改善要請
  • 食事品質、衛生、提供状況の確認
  • 事故や苦情が起きた際の施設としての対応
  • 契約内容と実績の定期的な検証

施設栄養士と委託会社栄養士の分担を決める

契約前には、献立作成、食材発注、食数管理、栄養ケア、食形態変更、衛生管理を、施設と委託会社のどちらが担うかを具体的に決めます。「栄養士業務を委託する」とだけ書くのでは不十分です。利用者情報を誰が受け取り、誰が厨房へ伝え、変更を誰が確認するかまで業務の流れに沿って整理しましょう。

栄養士業務以外にも、お茶の対応、予定時刻を過ぎた下膳、残食の廃棄、栄養補助食品の管理などは、契約後に担当が曖昧になりやすい業務です。現場の善意で始めた対応が通常業務になると、契約にない工数が積み上がります。見積前に「現在は誰が、どのくらいの時間をかけているか」を確認し、委託範囲に含めるもの、別途見積とするもの、施設側に残すものの3つに分けます。

栄養管理、献立、人員管理、調理、衛生管理などの役割を施設と給食委託会社で分けた表
委託給食における施設と給食委託会社の役割分担例

全面委託か直営継続かの二択で考えない

給食運営は「すべて直営」か「すべて委託」かの二択ではありません。現状の課題を業務単位で分けると、必要な部分だけ外部の力を借りる方法も見えてきます。

全面委託

調理や現場人員の配置を含む広い範囲を委託する方式です。採用・労務・厨房運営の負担を大きく見直しやすい一方、委託費だけでなく、施設固有の食形態や個別対応をどこまで標準業務に含められるかが重要です。

部分委託

調理のみ、献立・発注のみ、洗浄のみなど、課題が大きい業務を切り出して委託します。施設の専門性や既存職員を生かしながら負担を減らせますが、直営職員と委託会社の従業員が同じ厨房で働く場合は、指揮命令関係と責任分担を特に明確にする必要があります。

請負・業務委託では、委託会社が自社の従業員へ業務上の指示を出すことが基本です。契約書に「業務委託」と書かれていても、施設職員が委託会社の従業員へ日常的に作業順序や配置、勤務方法などを直接指示する運用になっていれば、契約形式ではなく実態に基づいて偽装請負と判断されるおそれがあります。施設からの依頼・変更は、原則として委託会社側の責任者を通して伝える流れを定め、施設側と委託会社側の責任者、業務境界、記録方法、緊急時の連絡経路を仕様書・契約書と現場運用で一致させましょう。安全上の緊急対応を含む個別の契約・運用は、厚生労働省の基準を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

参考:厚生労働省「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」

完調品・外部調達・セントラルキッチンの活用

一部の料理を完全調理済み食品へ切り替える、外部のセントラルキッチンから調達するなど、現地厨房の調理負担を減らす方法もあります。設備、保管スペース、再加熱工程、食形態への対応、食事品質を確認し、自施設の厨房で残る作業まで含めて判断します。

クックチルとクックサーブの違い

クックサーブは、下処理から調理、盛り付け、提供までを同日に行う方式で、できたての食感や個別対応を生かしやすい反面、提供前に作業が集中しやすい特徴があります。

クックチルは、加熱後に急速冷却・低温保存し、提供前に再加熱する方式です。調理日を分散して作業を平準化しやすい一方、冷却・保管・再加熱の設備と運用基準、記録、教育が欠かせません。

どちらかが常に優れているわけではなく、食数、食形態、ピーク時の人員、設備更新の時期を踏まえ、全面移行・部分導入・併用を比較します。

工程、人員、品質、設備・コストの違いを詳しく確認する場合は、こちらも併せてお読みください

👉こちらも併せてお読みください:クックサーブとは?クックチルとの違いを調理工程・人員・品質・コストで比較

 

費用は「委託費と給与」ではなく年間総コストで比べる

「委託すると高いか、安いか」を判断するときに、委託会社の見積額と直営職員の給与だけを比べると、結論を誤りやすくなります。直営側には、求人広告、紹介料、派遣、残業、教育、福利厚生、労務管理、シフト作成、欠員時の応援、管理者の対応時間、発注・在庫、廃棄、衛生管理、設備保守などが含まれるためです。

一方、委託側でも、基本委託費のほかに、行事食、職員食、会議食、食数変更、個別対応、洗浄、厨房清掃などが別料金になる場合があります。食材費、光熱水費、厨房設備の修繕・更新費、消耗品費についても、施設側と委託会社側のどちらが負担するかは契約によって異なります。各社の見積を比較する前に、費用項目ごとに「委託費に含む」「施設が別途負担する」「使用量や実績に応じて精算する」のいずれかを明記し、食数・食形態・稼働日・価格改定条件も共通化することが重要です。

比較すべきなのは、「現在の年間総コスト」と「同じ業務・費用負担の条件で見た委託後の年間総コスト」です。食材費込みの見積と、施設が食材費を別途負担する見積を、そのまま比べることはできません。光熱水費や設備修繕費も含め、見積額の外側で施設に残る費用を明らかにします。主要項目が未確認のままなら、安い・高いと結論づけず「暫定試算」として不足情報を埋めてから比較しましょう。

給与、食材費、採用費、残業、管理時間、設備修繕など給食運営の年間総コストを示した図
給与と委託費だけでは見えない、給食運営の年間総コスト

委託化の目的はコスト削減だけではない

直営から委託へ切り替える施設は、単純なコスト削減よりも、人材確保と安定運営を主な目的とするケースが多くなっています。調理員の退職や採用難によって、施設側の管理者がシフト調整や欠員対応に追われている場合、給食委託会社の採用力、人員配置力、本部の支援体制を活用できることが委託化の判断材料になります。

ただし、委託化によって必ずしもコストが下がるわけではありません。委託会社も人件費や食材費の上昇に直面しているため、直営時より費用が増える場合があります。採用・労務管理の負担軽減、欠員時の安定性、給食品質の維持・改善といった効果を、年間総コストと分けて整理し、総合的に判断することが重要です。

まずは条件を整理しましょう

お役立ち資料では、現状診断、現在のコスト・体制、委託したい業務、各社へそろえて伝える見積条件、候補会社の評価を一つのファイルで整理できます。

会社ごとに前提の違う見積を、そのまま金額だけで比べる失敗を防ぎます。

 

見積を取る前に、委託範囲と条件をそろえる

複数の給食委託会社へ見積を依頼しても、食数、業務範囲、必要人員、食形態、個別対応などの条件が会社ごとに違えば、価格を公平に比べられません。先に自施設の現状を整理し、「何を委託したいか」「どの品質を求めるか」を共通条件にする必要があります。

まず整理する現状情報

  • 食数、提供回数、曜日・時間帯ごとの変動
  • 常食、治療食、きざみ食、ミキサー食などの食形態と個別対応
  • 現在の人員配置、欠員、派遣・残業の状況
  • 厨房設備、更新予定、保管・再加熱の能力
  • 献立、発注、配膳、洗浄、清掃、衛生管理などの業務内容

契約範囲に明記したい項目

行事食、職員食、会議食、急な食数変更、個別対応、食器洗浄、厨房清掃などは、委託会社によって標準業務と追加業務の区分が異なります。「給食業務一式」とまとめず、実施頻度、担当、費用の扱いまで確認します。さらに、食材費、光熱水費、厨房設備の修繕・更新費、消耗品費を施設側と委託会社側のどちらが負担するかを明記し、各社へ同じ条件を提示します。人件費や食材価格が変動した際の価格改定条件も、契約前に確認しましょう。

自施設の現状整理、委託業務の整理、共通条件での見積取得、候補会社比較の4段階を示した図
給食委託会社を公平に比較・選定するための4つの段階

給食委託会社を選ぶ9つのポイント

委託先は、知名度や見積額だけで決めるものではありません。自施設の給食を継続して運営できるかという視点から、次の9項目を共通の評価基準として比較します。ただし、すべてを同じ重要度で採点する必要はありません。自施設の課題に応じて、重視する項目と配点を先に決めることが重要です。

例えば、慢性的な欠員が課題なら「人員体制・欠員対応」と「本部・エリア担当の支援」、災害リスクを重視するなら「緊急時・災害時の対応」、個別対応や治療食が多い施設なら「同種施設への対応実績」と「衛生・品質管理」の優先度を高めます。評価後に都合よく配点を変えず、見積依頼前に施設内で優先順位を合意しておきましょう。

1.人員体制・欠員対応

必要職種と人数を確保できるか。欠員時に、誰が・どの拠点から・何分または何時間で応援できるかまで確認します。

2.衛生・品質管理

マニュアルの有無だけでなく、巡回、記録、教育、事故発生時の報告と改善の仕組みを確認します。

3.同種施設への対応実績

病院、介護施設など、自施設と同じ業態・規模・食形態を運営した経験があるかを見ます。

4.現場責任者の力

本部の説明だけでなく、配属予定者の経験、現場管理、職員との調整力を確認します。

5.本部・エリア担当の支援

現場だけに問題を抱え込ませず、巡回や欠員支援、改善提案を行う体制があるかを見ます。

6.改善提案力

受託開始後も、残食、人員配置、作業、原価などを分析し、改善案を出せるかを確認します。

7.緊急時・災害時の対応

停電、断水、感染症、物流停止などを想定した代替手段と連絡体制を確認します。

8.価格・契約条件の透明性

基本料金に含まれる業務、追加費用、価格改定、設備修繕の負担が明確かを確認します。

9.コミュニケーション

定例会議、報告書、苦情・事故時の報告経路が具体的に決まっているかを見ます。

「欠員時は本部が応援します」という説明だけでは、継続性を判断できません。採用方法、配置計画、応援要員の所属拠点、応援までの時間、現場へ入れる職種・人数を具体的に確認します。委託化は人手不足を消す仕組みではなく、1施設だけで欠員を抱える状態から、給食会社の採用・教育・配置・応援体制を含めて運営する状態へ変えるものだからです。

提案・面談では「具体的に説明できるか」を見る

委託会社の規模や知名度だけでなく、自施設の条件に対して実行可能な運営体制を示せるかを確認します。「対応できます」という結論だけではなく、担当者、人数、時期、方法、代替策まで具体的に説明できるかが判断の分かれ目です。

人員確保:良い回答は、採用計画、配置予定人数、採用責任者、採用が遅れた場合の代替策まで示します。「採用には自信があります」という説明だけで、具体的な計画がない場合は注意が必要です。

欠員対応:良い回答は、応援可能な拠点、対応できる職種・人数、応援までの時間、長期欠員時の方針まで示します。「本部から応援します」という説明だけで、実際の支援体制が分からない場合は追加確認が必要です。

改善提案:良い回答は、定例会議の頻度、残食・苦情の分析方法、改善計画、担当者、過去の改善例まで説明します。「定期的に改善提案します」という方針だけでは、実行の仕組みや実績を判断できません。

緊急時対応:良い回答は、停電・断水・感染症・物流停止などを想定し、代替食の確保、他拠点からの供給、緊急連絡体制を具体的に示します。「緊急時も対応可能です」という回答にとどまる場合は、対応手順と責任者を確認しましょう。

委託化で起こりやすい失敗と防ぎ方

業務範囲を十分に決めず、追加費用が増える

見積時に業務範囲が曖昧だと、開始後に「これは契約外」と判明しやすくなります。反対に、お茶の対応や下膳時間の超過、残食の廃棄、栄養補助食品の管理などを委託会社の現場スタッフが善意で引き受け、いつの間にか通常業務になることもあります。契約にない工数は、残業や人員不足、採算悪化の原因になります。現在行っている業務を洗い出し、行事食や個別対応を含めて仕様へ落とし込みましょう。

提案された人員体制を実際には組めない

提案書に人数が書かれていても、その地域で採用できるとは限りません。近隣の運営拠点、同種施設の実績、採用計画、欠員時の応援元と到着までの考え方を具体的に質問します。

想定より食形態・個別対応が多い

常食の食数だけを伝え、きざみ、ミキサー、とろみ、禁食などの件数や変更頻度を共有していないと、必要人員と作業量がずれます。一定期間の実績を基に、食形態別の食数と変更の流れを提示しましょう。

直営から委託へ切り替える基本の進め方

切り替えに必要な期間は、施設規模、採用状況、設備、契約範囲によって異なります。ここでは期間を一律に置かず、判断漏れを防ぐための順序を示します。

STEP 1 現状を見える化する

食数、食形態、人員、採用、費用、設備、業務内容、品質上の課題を整理します。併せて、直営職員の雇用契約、職種、勤務条件、本人の意向を確認し、委託化に伴う配置転換、継続雇用、退職、委託会社への転籍・再雇用の可能性など、雇用・処遇の選択肢を整理するための情報をそろえます。既存職員への説明時期や相談窓口も、選定・契約と並行して決めます。

STEP 2 運営方式と委託範囲を比べる

直営継続、全面委託、部分委託、完調品・外部調達などを、自施設の条件で比較します。

STEP 3 共通の仕様・見積条件を作る

候補会社へ同じ情報を渡し、価格と提案内容を比較できる状態にします。

STEP 4 候補会社を評価する

見積だけでなく、人員体制、品質、実績、本部支援、緊急対応、契約条件を評価します。

STEP 5 役割分担と移行事項を合意する

施設と委託会社の担当、職員・利用者への周知、設備・在庫・帳票、緊急連絡を整理します。既存の直営職員については、施設内での配置転換、継続雇用、退職などの対応方針に加え、本人が希望する場合に委託会社への転籍・再雇用が可能かも確認します。転籍・再雇用は自動的に決まるものではなく、本人の意思と委託会社の採用条件によるため、説明時期、相談窓口、労働条件の提示方法まで事前に整理することが重要です。

STEP 6 開始後も実績を確認する

定例会議で品質、残食、苦情、事故、人員、費用を確認し、必要な改善を求めます。

自施設の条件を整理してから、持続可能な給食運営方式を選ぶ

直営給食から委託給食への切り替えは、単なる外注先選びではありません。人手不足、管理者の負担、品質・安全、設備、費用を整理し、自施設が今後も安定して食事を提供できる運営体制を選ぶ経営判断です。

判断の要点は、①委託化を検討すべきサインを捉える、②施設に残る役割を理解する、③全面委託に限らず業務単位で選択肢を比べる、④見えにくい費用を含む年間総コストで比較する、⑤同じ条件で複数社の運営力と契約内容を評価する、の5点です。

見積を取る前に情報をそろえ、候補会社へ同じ条件を提示することが、委託後の行き違いを防ぐ第一歩です。

給食委託化の検討を具体的な比較へ進めましょう

 

「病院・介護施設のための給食委託化判断・委託先選定シート」は、現状診断から委託範囲、見積条件、候補会社の比較、選定理由の整理までをExcel一つで進められる実務ツールです。

施設内の検討会議や、給食委託会社への見積依頼にご活用ください。

 

自施設だけで条件整理や候補会社の評価を進めることが難しい場合は、日本給食業経営総合研究所へご相談ください。

現状の見える化、直営・全面委託・部分委託・完調品活用の比較、仕様整理、提案・見積の評価、委託先選定、既存契約の見直しまで、施設の状況に合わせて支援します。

給食会社をお探しの施設・企業様は
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